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幸四郎 思いも新たに水天宮へ初参拝~新橋演舞場 三月大歌舞伎

幸四郎 思いも新たに水天宮へ初参拝

 新橋演舞場「三月大歌舞伎」(3月2日初日から26日千穐楽)にて、松本幸四郎が平成18年3月の歌舞伎座に続き、二度目となる『水天宮利生深川 筆屋幸兵衛(すいてんぐうめぐみのふかがわ ふでやこうべえ)』の船津幸兵衛役を演じます。公演に先立ち、幸四郎が作品の由来ともいえる水天宮を初めて参拝し、公演成功祈願を行いました。

松本幸四郎
 水天宮様をお参りしながら、やはり役者は良い芝居をお見せして、お客様に感動をお与えすることしか出来ない、それしか考えてはいけないという思いが改めてしてまいりました。そして、このお芝居をご覧になったお客様方に、ああ見てよかった、辛さや嫌なことを忘れ一瞬でも良い夢を見ることができた、そんなお気持ちを抱いていただきたいと、手を合わせて参りました。水天宮様からは、一人の人間として、きちんとした心構えで一ヶ月勤めなさい、そういう気持ちがあれば芝居も成功するよ、と言っていただいたような気が致しております。

 120年以上前の明治の頃の作品で、初演から大分年月は経っているのですが、今演じてみても、今ご覧になっても、新しくてとても良いお芝居です。明治時代には丁髷(ちょんまげ)を結い、刀を差していた武士が、散切り頭となって、明治という文明開化の時代を迎えます。その時代の移り変わりというものを、今回の舞台ではさらにはっきりとさせたいと思っています。時代が変わって、幸兵衛も近代の人間にならなくてはいけないと思いますが、同時に、武士は捨ててもその心はずっと持ち続けなくてはいけないと思います。それは今の歌舞伎が置かれている立場にもよく似ているのではないでしょうか。皆様にも、歌舞伎や時代の流れなど様々な思いを重ね合わせながらご覧頂ければと思っています。

幸四郎 思いも新たに水天宮へ初参拝

2011/03/01