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亀蔵、萬太郎、菊市郎が「子供歌舞伎教室」『棒しばり』に出演

亀蔵、萬太郎、菊市郎が「子供歌舞伎教室」『棒しばり』に出演

 『棒しばり』 左より、中村萬太郎、坂東亀蔵

 11月23日(土・祝)、歌舞伎座で「第249回 子供歌舞伎教室」が開催され、坂東亀蔵、中村萬太郎、尾上菊市郎が出演しました。

 毎年この時期に行われる「子供歌舞伎教室(公益財団法人都民劇場主催、東京都共催)」は、「小さいときから古典芸能に親しんでもらい、将来の歌舞伎ファンを育成することを目的」としたものです。今年も、招待された小学生から高校生、そして保護者の皆さんおよそ1600名に、朝早くから歌舞伎座にご来場いただきました。

 

 今年の演目は『棒しばり』。初めに作品のあらすじについての解説が行われ、「リラックスして、全身の耳と目で、歌舞伎の雰囲気を楽しんでください」という呼びかけに、客席の雰囲気も和らぎます。観劇の準備が整ったところでいよいよ舞台が始まりました。立派な松羽目の舞台や、途中で姿を現す長唄囃子連中がずらりと並んだ様子に、客席の視線は釘付けに。なかには、双眼鏡で熱心に舞台を眺める姿も見受けられました。

 

亀蔵、萬太郎、菊市郎が「子供歌舞伎教室」『棒しばり』に出演

 『棒しばり』 左より、中村萬太郎、坂東亀蔵

 菊市郎演じる曽根松兵衛は、亀蔵演じる次郎冠者、萬太郎演じる太郎冠者が隠れてお酒を飲まないよう、二人の手を縛って出かけます。それでも、あの手この手でお酒を飲もうとする次郎冠者と太郎冠者。そのおおらかで大胆な会話や行動に、あちこちで笑いや感嘆のざわめきが起こります。お子さんたちは出演者の一挙手一投足を食い入るように見つめながら、すっかり作品の世界に引き込まれている様子でした。

 

 たらふくお酒を飲み、すっかり上機嫌になった次郎冠者と太郎冠者。縛られながらも、緩急あるみごとな舞を披露していきます。さらに二人の連れ舞いでは音楽もいっそう賑やかになり、二人の足拍子も小気味よく響きわたりました。そこへ戻ってきた松兵衛は、目の前の光景に驚きと怒りが隠せません。三人のユーモラスなやりとりに会場が笑いと拍手に包まれるなか、幕となりました。

 

 今年も、誰もが楽しめる歌舞伎作品の魅力を十分に味わえる機会となった「子供歌舞伎教室」。昭和27(1952)年から始まり、これまで多くのお子さんへ、歌舞伎の魅力を伝えてきたこの催しも、来年いよいよ250回を迎えます。 

 

亀蔵、萬太郎、菊市郎が「子供歌舞伎教室」『棒しばり』に出演

 『棒しばり』 左より、坂東亀蔵、尾上菊市郎、中村萬太郎

2019/11/28