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萬壽、獅童、時蔵、萬太郎が語る「四国こんぴら歌舞伎大芝居」

萬壽、獅童、時蔵、萬太郎が語る「四国こんぴら歌舞伎大芝居」

 

  2025年4月4日(金)から始まる、旧金毘羅大芝居(金丸座)「第三十八回 四国こんぴら歌舞伎大芝居」に出演する中村萬壽、中村獅童、中村時蔵、中村萬太郎が、公演への思いを語りました。

萬壽、獅童、時蔵、萬太郎が語る「四国こんぴら歌舞伎大芝居」

 

それぞれの役への思い

 金丸座への出演は10年ぶり8回目となる萬壽。第一部『魚屋宗五郎』では、立役の磯部主計之助を勤めます。平成12(2000)年6月博多座で、自身が女房おはま役で出演した際、主計之助を勤めたのが二世中村吉右衛門でした。「本当に素晴らしかったあのお兄さんの主計之助を思い浮かべながら演じようと思います」と、感慨を込めて語ります。初役で勤める第二部『蜘蛛の拍子舞』について、「変化舞踊は女方にとっては大変なものですが、金丸座という芝居小屋にとても合っている演目だと思います。金丸座ならではの舞台機構も有効に使い、お客様に楽しんでいただけるよう一所懸命勤めたい」と、決意を述べました。

 

萬壽、獅童、時蔵、萬太郎が語る「四国こんぴら歌舞伎大芝居」

 

 以前にプライベートで、当時改装中だった金丸座を訪れたことを明かした獅童は、念願の「こんぴら歌舞伎」初出演です。『魚屋宗五郎』の宗五郎は、歌舞伎座で昨年6月に初役で勤めるにあたり、尾上菊五郎に教えを受けました。「“世話物のような芝居は何度も何度も、なるべく間を空けずに勤めると良い”ともご助言をいただきました。それから1年も経たずに勤められることは非常にありがたく感じております」と強調し、第二部『らくだ』については、「琴平のお客様は、笑いのあるような明るいお芝居もお好きだと伺いました。皆様に喜んでいただけたらうれしく思います」と、地元のお客様への思いもにじませました。

 

萬壽、獅童、時蔵、萬太郎が語る「四国こんぴら歌舞伎大芝居」

 

 時蔵も、萬壽と同じく10年ぶりの出演です。第一部『毛谷村』のお園は、「気の良いお役で、このお芝居自体が芝居小屋に合っていると思います。(六助役の)弟(萬太郎)とともに、兄弟ならではの色が出せれば」と意欲を見せ、『魚屋宗五郎』の女房おはまについては、「獅童さんの宗五郎を拝見して、ご一緒したいと思っておりましたので、とてもうれしいです」と喜びます。そして『蜘蛛の拍子舞』で、萬壽、萬太郎とともに出演するにあたり、「家族三人、父に負けないよう心して勤めたいと思っております」と、熱い思いを述べました。

 

萬壽、獅童、時蔵、萬太郎が語る「四国こんぴら歌舞伎大芝居」

 

 萬太郎は、子どもの頃から憧れていた金丸座に初出演です。『毛谷村』六助について、「いつか勤めたいと思っていた大きなお役でありがたく思います。この気持ちをお客様に少しでも還元できるよう、面白かったと思っていただけることを目指します」との抱負に続けて、碓井貞光で挑む『蜘蛛の拍子舞』の少し苦い思い出を明かします。「以前出演した際は、未熟で皆様に怒られる毎日でした。今回は自分にとってはリベンジでもあります。成長した姿をお見せしたいです」と、強い決意を見せました。

 

胸いっぱいのこんぴら歌舞伎

 琴平町の印象を問われた萬壽は、「地元の皆様に温かく迎えていただけますし、お練りをすると、(化粧をしている印象の強い)歌舞伎俳優の素顔を知っていただけます。買い物などで外出したときにも、気づいてもらうことが増えてしまって…」と、笑いを誘います。

 

 地元の方の尽力によって守られてきた金丸座について、獅童は「江戸時代から、歌舞伎が庶民のものであったことがよく分かります。歌舞伎役者はこのような場所で芝居をしていたのだなと想像力も膨らみます」と、思いを馳せます。今回の公演に、「萬屋の長」と慕う萬壽をはじめ、子息の陽喜、夏幹とともに萬屋の多くが出演することにも触れ、「萬屋一門、小川家がこれだけ集まって芝居ができるというのは、本当に胸がいっぱい」と、熱い思いも打ち明けました。

 旧金毘羅大芝居(金丸座)「第三十八回 四国こんぴら歌舞伎大芝居」は4月4日(金)から20日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で2月15日(土)から発売予定です。

2025/02/04