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歌舞伎座『壽浅草柱建』出演者が語る意気込み

 歌舞伎座『壽浅草柱建』出演者が語る意気込み

 左より、中村鶴松、中村隼人、中村種之助、坂東巳之助、尾上松也、中村歌昇、坂東新悟、中村米吉、中村莟玉

 

 1月2日(土)に、歌舞伎座で開幕した「壽 初春大歌舞伎」初日を前に、第一部の序幕『壽浅草柱建(ことほぎてはながたつどうはしらだて)』に出演の尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人、中村莟玉、中村鶴松が、舞台への意気込みを語りました。

歌舞伎座『壽浅草柱建』出演者が語る意気込み

 

 毎年「新春浅草歌舞伎」を年始の大きな目標としてやってきたという松也は、歌舞伎座で迎える1月を「寂しい気持ちもありますが、浅草のメンバーでこうしてお正月から歌舞伎座に集うことができる貴重な機会にもなった」と、真剣な面持ちで話します。舞台では「このなかでは年齢も上ですので、みんなを引っ張っていけるような五郎」を目指し、2021年は「どんな場面でも力を発揮できるように、多くの経験値を積みたい」と、抱負を語りました。

 

歌舞伎座『壽浅草柱建』出演者が語る意気込み

 

 「歌舞伎座に出させていただけることが、とてもありがたい」と話すのは工藤祐経を勤める歌昇。「五郎や十郎をしっかりと受ける度量の大きさが少しでも出せるよう、精一杯勤めたい」と気合は十分。新しい年は「自分から発信していくことも大事だと思うので、できる限りのことをどんどんやっていければ」と、意欲を見せました。

 

歌舞伎座『壽浅草柱建』出演者が語る意気込み

 

 巳之助は、「外題で“浅草”と書いて、“はながたつどう”という読みをつけていただいて、歌舞伎座でこの面々でさせていただけること、これは本当にありがたいこと」と、喜びがあふれます。3度目となる朝比奈は、「ちょっとしたおかしみのある振りもありますので、お客様に楽しんでいただけるように明るく華やかにしたい」と述べ、「皆様に忘れられない1年にしたい」と、話しました。

 

 

「この世代でこうして歌舞伎座でひと幕勤めさせていただけることに、大変責任を感じております」と語るのは新悟。「30歳を迎え、いつまで浅草歌舞伎に出られるかもわからない、そうした意味でも一日一日の舞台を大切に勤めたい」と話し、女方でありながら、男勝りな役どころである舞鶴を、「おおらかにそして華やかに演じたい」と意気込みます。新しい年は「世の中の変化に適応しつつ、何か好きなことを一つ増やしたい」と、目標を掲げました。

 

歌舞伎座『壽浅草柱建』出演者が語る意気込み

 

 種之助は、「みなそれぞれ個性のあるお役で、そんななかでも茶道珍斎は少し違う色のお役。面白く、そして歌舞伎座で歌舞伎を観たお客様が華やかな気持ちになるように勤めたい」と熱く語ります。2021年は「お客様に元気を与える立場でございますから、自分の気持ちが負けないように、元気に生きて、そしてお客様に元気を与えられるような年にしたい」と、笑顔で話しました。

 

歌舞伎座『壽浅草柱建』出演者が語る意気込み

 

 女方の大役、大磯の虎を勤める米吉は「2021年は丑年なので、干支を先取りしちゃったような感じがする」と笑いを誘いながらも、「大きさ、風格、私にはとても足りないものですけれども、少しでも背伸びをして、少しでも先輩方の背中が見えるようなところへ行きたい」と、熱意を感じさせます。新年は「元気で頑張ります!」と、明るく話しました。

 

歌舞伎座『壽浅草柱建』出演者が語る意気込み

 

 「いつかこのメンバーで歌舞伎座に立てたらいいね、という話をしたこともあったので、ある意味夢がかなったのではないかと思う」と語るのは隼人。「今回、和事の十郎を歌舞伎座で観ていただき、いつか『対面』の十郎を観たいと思っていただけるように勤めたい」と話します。「僕ができることは舞台に立ち続けて、観に来てくださる方たちを幸せにできるように精進していくこと」と、思いを新たにします。

 

 

 莟玉は、「本当に久しぶりとなる歌舞伎座のお正月公演。すごく嬉しく思っております」と、気合も十分。平成25(2013)年に浅草歌舞伎に初めて出演した際と同じ、化粧坂少将を勤めます。世の中の状況に合わせ、少しずつ形を変えながら進んでいる歌舞伎座の興行について触れながら、「スタッフの皆様と役者と一丸となって頑張りたいと思っております」と、決意を表明しました。

 

 

 「どこの劇場でも、僕らがやることは同じだと思いますので、お客様に楽しんでいただけるよう、精一杯勤めたい」と頼もしく述べるのは鶴松。喜瀬川亀鶴という女方に挑みますが、実は曽我物に出演するのは初めて。「先輩方の胸をお借りして、勉強していきたいと思います。2021年は舞台にたくさん出て、この1年を取り戻せるよう頑張りたい」と、熱く語りました。

 

 「これまで多くの先輩方の指導を受け、ひと月の間、大役を勤めることの責任感や舞台度胸を育むことができた」と、皆が声をそろえて話す「新春浅草歌舞伎」。貴重な経験を積んで、歌舞伎座という大きな舞台に9人の花形が集います。

  歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」は、27日(水)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2021/01/05