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仁左衛門、千之助が語る、歌舞伎座『連獅子』

仁左衛門、千之助が語る、歌舞伎座『連獅子』

 

 11月1日(月)から始まる、歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」第二部『連獅子』に出演の片岡仁左衛門、片岡千之助が、公演に向けての思いを語りました。

かなう、それぞれの願い

 今回、77歳で狂言師右近後に親獅子の精を勤める仁左衛門。「この歳になったらやりたいと思っていたのが『連獅子』だった」と明かします。「十七代目の中村屋のおじ様(十七世中村勘三郎)が76歳のときに、当時の勘九郎くん(十八世勘三郎)と一緒に踊られた。ゆったりとした親獅子としての貫禄、そして仔獅子がぴちぴちと跳ねている、その対比が素敵でした。もし、私も歌舞伎座で連獅子を踊れる役者になれるならば、おじ様と同い年のときに踊りたいと決めていたんです。35年間抱いていた願いがかない、光栄です」と、顔をほころばせました。

 

 狂言師左近後に仔獅子の精を勤める千之助も、「『連獅子』は大好きな演目で、小さいときから祖父とやらせていただきたいという思いが強く、それを手紙にして送ったこともありました。今も、演目に抱いていた憧れの気持ちと、祖父と『連獅子』をやらせていただきたいという願いがかなった喜びが、ずっと続いています」と、ひたむきに語りました。

 

仁左衛門、千之助が語る、歌舞伎座『連獅子』

 

 『連獅子』で二人が初めて共演したのは、平成23(2011)年。仁左衛門は、「小さい子どもが良く頑張ったなと祖父として大変うれしく思いました。その3年後に歌舞伎座でやらせていただいたときは、成長を感じる部分ともう少し成長したほうがよいと思う部分があり、その歯がゆさが入り乱れて…。身内の甘さと、先輩後輩の厳しさの、難しいところです」。千之助は、「10年前の稽古から、優しい祖父という存在から大先輩である役者という存在に変わりました。仔獅子として谷底に突き落とされたような感覚を味わい、そのなかでも追いつきたい、這い上がらなければいけないという感覚をもちました。それがまた、『連獅子』につながっていきました」と、真剣な眼差しで振り返りました。

 

仁左衛門、千之助が語る、歌舞伎座『連獅子』

 

そのときにしかできない『連獅子』を

 今回、千之助は成人してから初めて仔獅子の精を勤めます。「21歳という歳で、仔獅子のあどけなさをいかに表現するか。そして、それが『連獅子』という作品に当てはまるように、しっかり踊ることを意識しながら、チャレンジしなければいけないと思います」と、力を込めます。

 

 仁左衛門もその点に触れ、「今まではつくらなくても仔獅子でしたが、今回はあどけなさを表さなければいけない。そこに芸の難しさがひとつ加わりました。それをどこまで克服してくれるか、期待しております」と、背中を押します。

 

 後進に求めることを聞かれると仁左衛門は、「人に請われる役者になること。そのためには、自分のアンテナをよく磨き、吸収することが大切です。私もいまだに、先輩方の映像を繰り返し見て、研究しています。そうすると、そのつど新しい発見があるんです。そして、人からけなしていただいたときに、どういう意味で悪かったのかを勉強することが大事。そうしたことを身に付けていってほしいです」と、熱く語りました。千之助は、「人に求められる役者になってほしいと言われます。これは役者としてだけでなく、人としても、周りに求めていただけることはありがたいことだと思うので、僕にとっては人生のモットーのひとつです」と、まっすぐ前を見据え、祖父の思いを受け止めました。

 歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」は11月1日(月)から26日(金)までの公演。チケットは10月14日(木)から、チケットWeb松竹チケットホン松竹で発売予定です。

 

仁左衛門、千之助が語る、歌舞伎座『連獅子』

2021/10/12