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中車、壱太郎、尾上右近、團子が語る、「立川立飛歌舞伎特別公演」

中車、壱太郎、尾上右近、團子が語る、「立川立飛歌舞伎特別公演」

 左から、藤間勘十郎、市川團子、中村壱太郎、尾上右近、市川中車

 

 2025年10月23日(木)から始まる立川ステージガーデン「立川立飛歌舞伎特別公演」に出演する市川中車、中村壱太郎、尾上右近、市川團子が、演出・脚本・振付の藤間勘十郎とともに、公演に向けての思いを語りました。

中車、壱太郎、尾上右近、團子が語る、「立川立飛歌舞伎特別公演」

 

芸の飛距離を披露

 3回目となる今回の「立川立飛歌舞伎特別公演」では、『ご挨拶・解説』に続き、『連獅子』と『新説 小栗判官』を上演します。藤間勘十郎は『連獅子』について、「誰もが憧れる作品で、国内外でも大変に評価の高い作品」、『新説 小栗判官』については、『當世流小栗判官(とうりゅうおぐりはんがん)』などの作品をもとに練り直したもので、暴れ馬の曲乗りや大立廻り、怪談や道行の舞踊など、歌舞伎の要素がふんだんに詰まった作品、と紹介しました。

 

 『連獅子』で親獅子を勤める右近は、「親のような先輩方に導いていただき今の自分がある。その象徴が『連獅子』です。先輩方のおかげで仔獅子だった自分が親獅子になれて、新たな仔獅子に私なりに伝えられることがあるのではないかという希望、期待、喜びをもてることが、歌舞伎の世界に身を置いてよかったと思う最大の理由です」と熱く語ります。勘十郎の長男・藤間康詞の仔獅子と共演するうれしさや、市川猿弥と市川青虎の宗論の面白さにも触れながら、獅子の毛振りでは「立川の会場の広さを超える“芸の飛距離”を披露できたら」と抱負を掲げました。

 

中車、壱太郎、尾上右近、團子が語る、「立川立飛歌舞伎特別公演」

 

立川にいっぱいの雪が降る

 『新説 小栗判官』で横山大善を勤める中車は、「父・(二世市川)猿翁が『當世流小栗判官』を復活させ汗水を流しながら勤めている姿をビデオで見ましたが、息子の團子がこのような早い段階で勤めることになるとは思いもよりませんでした。團子が2年ぶりの立川で小栗と浪七の2役を勤める。感無量です」と胸の内を明かします。また、今回は大量の雪が降る演出があることに触れ、「立川の劇場いっぱいの雪が降る様子を今から考えると、胸が踊ります」と期待を寄せました。

 

 「『當世流小栗判官』を映像で見て、白馬に乗った男女二人の宙乗り、こんなファンタジーは他にない、と印象に残っていた」と話すのは壱太郎です。演じる照手姫について、「父の仇を討つという芯をもって、とにかく一心に駆け抜けます。ただの赤姫という歌舞伎のお姫様だけではない概念のなかでの人物像を出せたら」と解釈を述べると、お駒を演じる右近は、「お駒は、可憐かつ直情型で現代的。自分本位で情熱を燃やす描写があるので、実は女性からの共感性の高い部分もあるのかもしれません」と続けました。

 

中車、壱太郎、尾上右近、團子が語る、「立川立飛歌舞伎特別公演」

 

 小栗判官と浪七を勤める團子は、「祖父が昔からのテーマを復活させた作品のなかでも、この『當世流小栗判官』は3本の指に入るだろうと、祖父の記述のなかにありました。未熟な自分が身に余る大役を勤めさせていただく覚悟をもち、誠心誠意勤めたい」と気合十分。「小栗判官は、暴れ馬を手懐ける碁盤乗りでは勇猛果敢ですが、溌剌と進むだけでなく実は受け身で、哀れさや儚さももつ。個人的にそこが魅力だと思います。また、浪七は勇猛な忠臣。初めて勤めるタイプのお役ですので、自分の演じる役柄の幅を少しでも広げられるように勤めたいです」と、役への深い思いを伝えます。

 

 

立川の地を盛り上げて

 今回は、小栗判官と照手姫の白馬の宙乗りだけではなく、右近演じる素戔嗚尊の宙乗りと、立川で初めてとなる両宙乗りもみどころの一つ。高所は苦手と言う中村壱太郎は、昨年初めてこの会場で挑んだ宙乗りを振り返り、「やはり舞台の力でしょうか、お客様の前では怖さも消えていく、初めて感じた新たな感覚でした。今年は團子くんにしがみついて安心して飛ばせていただきます」と笑顔を見せると、「照手姫をしっかり抱えてロマンチックに飛びたいと思います」と、團子も応えました。

 

中車、壱太郎、尾上右近、團子が語る、「立川立飛歌舞伎特別公演」

 

 改めてこの「立川立飛歌舞伎特別公演」について、中車は「毎年楽しみで、また今年も秋が来たなと感じる公演に成長していっていると思います。歌舞伎がいついつまでも続いていくよう、私ども一丸となってしっかりと勤めてまいりたい」と、心境を述べました。今回は、立川の地をもっと盛り上げたいと、壱太郎と團子が出演する、立川の街を紹介するYouTube番組も製作されているとのこと(8月下旬公開予定)。こちらにもどうぞご注目ください。

 立川ステージガーデン「立川立飛歌舞伎特別公演」は、10月23日(木)から26日(日)までの公演、チケットは8月27日(水)より、チケットWeb松竹チケットホン松竹ほかで発売予定です。

 

 左より、たっぴくん、山根成之松竹株式会社取締役副社長、藤間勘十郎、市川團子、中村壱太郎、尾上右近、市川中車、村山正道株式会社立飛ホールディングス代表取締役社長、たっぴちゃん

2025/08/07