2023年1月2日（月・休）、「新春浅草歌舞伎」の初日が幕を開けました。

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　お正月の賑わいをみせる浅草に、3年ぶりに「新春浅草歌舞伎」が帰ってきました。幕開きには、出演者がアナウンスでお客様をお出迎え。初日の第一部のアナウンスを担当する松也は、「熱気あふれる舞台をお届けできるよう、座中一同一所懸命に勤めて参ります」と意気込み、お客様も大きな拍手でこたえました。最初の演目は『双蝶々曲輪日記』「引窓」です。主筋への義理を果たすために人を殺めてしまった、橋之助勤める実子・長五郎と、その実子を捕らえることを命じられた隼人勤める義子・与兵衛。新悟勤めるお早はそれぞれが置かれた状況を気遣い、吉弥勤める母お幸は二人の息子の間で板挟みとなり、苦しみます。その母を慮る息子たちの情愛が、観客の涙を誘います。二幕目は巳之助と新悟の『男女道成寺』。男女の踊り分けを楽しむ華やかな舞踊で、満開の桜のなかでテンポよく艶やかに踊る二人の姿に、引き込まれていきます。次第に形相が変わり、二人が鐘のなかに飛び込み本性を現すと、場内は熱い拍手に包まれました。

　第二部は、巳之助の新年を寿ぐアナウンスで幕が開きました。『傾城反魂香』では、歌昇勤める言葉が不自由な絵師・又平が、種之助勤める口達者な女房おとくとともに、土佐の苗字を願い、師匠である吉之丞勤める土佐将監と歌女之丞勤める北の方のもとを訪ねますが、その願いは空しくも却下されてしまいます。しかし、死を決意した又平が心魂込めて手水鉢に自画像を描くと奇跡が起こります。ハンデや階級を乗り越える又平の姿、そして温かな夫婦の絆が観る者の胸を打ちます。続いては、『連獅子』。松也演じる狂言師右近が厳しくも温かい親獅子の情愛を、莟玉演じる狂言師左近が仔獅子のけなげさをそれぞれ舞で表現します。歌昇と種之助による間狂言「宗論」を挟み、ついに白毛の親獅子の精と赤毛の仔獅子の精が登場すると、場内の熱気が高まります。勇壮かつ豪快な毛振りに、あふれんばかりの拍手が送られ、新年にふさわしいひと幕となりました。

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　浅草公会堂「新春浅草歌舞伎」は、24日（火）までの公演。チケットはチケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。