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歌舞伎座「六月大歌舞伎」祝幕がお披露目

歌舞伎座「六月大歌舞伎」祝幕がお披露目

 上:歌舞伎座「六月大歌舞伎」初代中村萬壽 六代目中村時蔵襲名披露 五代目中村梅枝初舞台 祝幕「紅白滝図」(美術:千住博/提供:TSUCHIYA株式会社)/下:歌舞伎座「六月大歌舞伎」初代中村陽喜 初代中村夏幹初舞台  祝幕 「風神雷神」(原画・提供:ビートたけし [©株式会社 T.N ゴン]/謹製:歌舞伎座舞台株式会社)

 

  2024年5月28日(火)、歌舞伎座「六月大歌舞伎」の祝幕がお披露目されました。

 いよいよ6月1日(土)に初日を迎える歌舞伎座「六月大歌舞伎」。公演の開幕に先がけ、このたび襲名披露・初舞台を彩る「祝幕」2枚が歌舞伎座の舞台上でそれぞれお披露目されました。

 

歌舞伎座「六月大歌舞伎」祝幕がお披露目

 左から、中村時蔵、中村梅枝、中村萬壽、千住博

 「初代中村萬壽 六代目中村時蔵襲名披露 五代目中村梅枝初舞台」を寿ぐ祝幕を担当したのは、世界を舞台に活躍する日本画家、千住博氏。初代萬壽とは小学校から高校まで同じ学び舎で過ごしたという間柄で、襲名が決まった際に、萬壽から千住氏に依頼し実現。千住氏を代表する滝の絵が全面に描かれた祝幕が披露されました。

 

 創作にあたり千住氏は、「品格があって、格調が高い、そしてお祝いですので、紅白の滝にしました。光が当たって、自らが発光する。そんなあり方が萬壽さん、時蔵さん、梅枝さんにふさわしいと考えました」と、構想を明かします。特にこだわった点については、「舞台美術に関わったことはあるのですが、歌舞伎座は初めてです。歌舞伎座のオレンジかかった色味のなかで映える赤はどんな色かと考えました。また、このような大作に挑む場合は、実は細部が勝負を分けると考えています。どの距離から見ても美しいよう、しっかり描きました」と、話しました。

 

 この日初めて見る祝幕を前に、萬壽は「千住先生、そして関係の皆様のおかげで、この幕が出来上がりました。先生の思いを受け止め、三人で力を合わせて襲名披露を一所懸命勤めたいと思っております」と、力強く述べます。時蔵も、「襲名にあたり、さまざまな準備をしてまいりましたが、この祝幕は一番うれしいです。祝幕からも力をいただき、お客様の心に響くような舞台をお届けしたいと思っています」と、意気込みは十分。続いて梅枝も「一所懸命頑張ります」と、元気に答えました。

歌舞伎座「六月大歌舞伎」祝幕がお披露目

 左から、中村夏幹、中村獅童、中村陽喜

 続いて「初代中村陽喜 初代中村夏幹初舞台」を寿ぐのは、ビートたけし氏の原画・提供による祝幕です。獅童はビートたけし氏と映画出演をきっかけに、交流を深めていたといいます。

 

 この日、ビートたけし氏からは、「このたびの初舞台、誠におめでとうございます。これからの歌舞伎界を担っていくお二人および皆様の輝かしい未来を心よりお喜び申し上げます」と、メッセージが届きました。初めて目にした祝幕を前に、獅童は、「子どもたちがとても気に入っているので、それが一番うれしいです」と、目を輝かせます。陽喜も、「とてもいいと思います」と、夏幹とともに大満足の様子。

 

 「こんなに素敵な祝幕をご用意いただいて、本当に胸がいっぱいです。子どもたちの初舞台という大事な公演の一方で、実は6月公演で私が出演する4演目すべてが初役で、毎日4冊の台本とにらめっこしています」と、慌ただしい様子を明かす獅童。公演の楽しみを聞かれて「名前を襲名することです」と張り切って答える息子たちの姿を見て、「最後まで元気よく、精一杯楽しく演じてくれたなら、親としてはそれだけで満足です」と、笑顔で語りました。

 歌舞伎座「六月大歌舞伎」は6月1日(土)から24日(月)までの公演。チケットはチケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2024/05/31