海老蔵が語る、新橋演舞場「初春歌舞伎公演」

海老蔵が語る、新橋演舞場「初春歌舞伎公演」

 1月3日(木)から始まる新橋演舞場「初春歌舞伎公演」に出演の市川海老蔵が、公演と出演演目について語りました。

3度目の長兵衛は深い思い出とともに

 6年連続で新年の新橋演舞場を開けることになる海老蔵。獅童の『鳥居前』に続く『極付幡随長兵衛』から登場します。平成25(2013)年、「新春浅草歌舞伎」で初役となる長兵衛を病床の父、十二世團十郎に教わった思い出深い演目です。「舞台稽古も見に来られず、面会も難しい状態だったので、DVDに録画して手紙でやりとりしました」。公演中にテレビ電話で話したのが、最後の会話となりました。「父が長兵衛に出ていたときは、子分で父の姿を見ていました。面影を感じる非常に大きなお役。教わったことをそのまま演じます」。

 

 『三升曲輪傘売(みますくるわのかさうり)』は海外公演の折、「小雨でも傘を差さない方々を目にして、和傘をもっと知っていただけないかと」、インスピレーションを得てつくった舞踊。「マジックもとり入れ、私の体から20本以上の傘がどんどん出てきて、飽きの来ない構成です」。一昨年の京都 先斗町歌舞練場の顔見世興行でも客席をおおいに沸かせた舞台が、いよいよ新橋演舞場に登場します。

 

海老蔵が語る、新橋演舞場「初春歌舞伎公演」

親子三人がそろって十一世團十郎を偲ぶ

 夜の部は右團次と児太郎の『鳴神』で幕を開け、十一世市川團十郎生誕百十年と冠した『牡丹花十一代(なとりぐさはなのじゅういちだい)』で、孫の海老蔵と曾孫の堀越麗禾、堀越勸玄の親子三人がそろって十一世を偲びます。「二人に踊らせるのが眼目ですが、共演者も出て華やかに」、あとはご覧になってのお楽しみという舞踊です。モノクロ映像を見て、「初めて男性にひと目惚れしたのが、祖父でした」。後にも先にもいない、海老蔵にとっての特別な存在を、親子で寿ぎます。

 

 そして、海老蔵が初役で挑む『俊寛』。繰り返し演じて高めていくために『幡随長兵衛』に挑む一方で、「繰り返すことによって甘えが生じることもあります。未知なる世界に行かなくてはいけない」と選んだ初挑戦。40代となり、「今、どんな苦しい思いをしているとしても、多少早いかもしれないけれど挑戦し、最終的に素晴らしいものになれる第一歩を早く踏むべきだと思いました」。『俊寛』のドラマ性に感銘し、「私の心境に重なる部分もございます。実は舞台に出ていない部分が大事で、そこに肝があるのではないか」、それを教わり、演じたいと語りました。

 

 切狂言は海老蔵の5役目、新歌舞伎十八番の内『春興鏡獅子』。「久しぶりに女方舞踊をさせていただくので、もう一度見直し、真剣にとり組みたい。体力的には自信があります。朝夕鍛錬積み重ねて乗り越えたい」。10年前に通し狂言の『雷神不動北山櫻』を昼夜で演じたときのほうが大変だったと思うと言い、余裕すら感じさせましたが、それもこれも「子どもたちがやってくれれば」という但し書き付きでのこと。

 

歌舞伎が大好き、舞台に立つのが楽しみ

 「気の使い方が3倍どころか10倍くらいになる」。新橋演舞場で初となる親子三人共演の公演だけに、「父としての在り方が問われる。冷や汗をかく瞬間もあるし、稽古を積み重ねられる環境をつくりたい」と、自分のことよりも気になる様子を見せた海老蔵。ですが、当の子どもたちは「(舞台に)立つのが楽しみです。(二人一緒が)ものすごくうれしい」と元気いっぱいです。

 

 麗禾は今年の1月、『日本むかし話』の幼少かぐや姫を演じて新橋演舞場の舞台を踏んでおり、勸玄は新橋演舞場こそ初出演ですが、初お目見得以来、4度目の歌舞伎の舞台で、『幡随長兵衛』にも長松で出演します。取材中にはテレビカメラがずらりと並ぶ前で、二人が堂々と歌舞伎十八番の『外郎売(ういろううり)』の言い立てを披露、幼い成田屋の愛らしい様子に取材陣からも拍手が起こりました。「お父さんが仕事の間に、おばあちゃんと弟と、頑張って夜も練習しました」と麗禾。

 

 「娘は、出たいという固い決意があり、1月は歌舞伎と、直談判もございました。倅は歌舞伎をやるという意識が、私の子どもの頃に比べても明確。本人たちは私よりやる気がある状態なのかなと思います」。そんな子どもたちの頑張っている姿をご覧いただいたら、楽しんでいただけるのではと、最後は笑顔でご来場を呼びかけました。 

 新橋演舞場「初春歌舞伎公演」は、2019年1月3日(木)から27日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で、11月25日(日)発売予定です。

2018年11月22日

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