第3章.観劇の手引き ~今月の出演俳優~
ここでは、公演をよりお楽しみいただくための筋書の便利なページをご紹介しましょう。
今月の「吉例顔見世大歌舞伎」では、『蜘蛛の絲宿直噺』『身替座禅』『一條大蔵譚 奥殿』『義経千本桜 川連法眼館』など魅力的な演目が並んでいます。チラシや歌舞伎美人などで出演俳優や配役を見て舞台を楽しみにいらっしゃる方も多いと思いますが、チラシに載る俳優だけではもちろん舞台は成立しません。歌舞伎の舞台は、たとえ配役がひとりだけでも、後見や黒衣など、裏で演者を支えている俳優がいます。また、時代物の四天の立廻りや、世話物に出てくる町人によるお芝居も楽しみな一場面です。
「今月の出演俳優」というページでは、当月出演する俳優(日本俳優協会所属)の素顔写真が「幹部」「名題」「名題下」の順で掲載されています(子役が出演する場合は最後に掲載)。俳優名には読み仮名が平仮名とローマ字で表記されており、幹部俳優には屋号も記載されています。屋号は、俳優それぞれが持つ称号で、見得の極まる瞬間などに大向うから「○○屋!」とかけ声がかかると舞台が盛り上がりますね。そのとき「この人の屋号は?」と思ったらこちらをチェックしてみてください(※新型コロナウイルス感染症対策として、大向う・かけ声はお断りしています/令和2年11月現在)。屋号は名跡に付随していることが多いため、まれに親子でも屋号が違うこともありますし、他にも「○○さんと○○さんは同じ屋号だ!」など新たな発見があるかもしれません。


「今月の出演俳優」(令和2年11月歌舞伎座)より一部抜粋
当月の一座の顔ぶれをが見ることができますので、舞台で気になった俳優がいたら、ぜひこちらで探してみてください。
3カ月にわたり「筋書いまむかし」をご覧いただき、ありがとうございました。
これからも、お客様に歌舞伎をより楽しんでいただける筋書をつくってまいりますので、ご観劇のおともに、そして記念のひとつとして筋書をお楽しみいただけますと幸いです。