公演情報詳細
二月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2021年2月2日(火)~27日(土)
劇場:歌舞伎座
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- 歌舞伎座「二月大歌舞伎」初日開幕
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歌舞伎座、2021年1月以降の公演形態に関して
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演目と配役
第一部
一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
十種香
八重垣姫 武田勝頼 白須賀六郎 原小文治 腰元濡衣 長尾謙信 | 魁春 門之助 松江 男女蔵 孝太郎 錦之助 |
山本周五郎 作
矢田弥八 脚色
大場正昭 演出
二、泥棒と若殿(どろぼうとわかとの)
伝九郎 松平成信 迎えの侍 同 宝久左衛門 梶田重右衛門 鮫島平馬 | 松緑 巳之助 男寅 左近 弘太郎 亀鶴 坂東亀蔵 |
第二部
四世鶴屋南北 作
渥美清太郎 改訂
一、於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)
土手のお六
鬼門の喜兵衛
土手のお六 山家屋清兵衛 髪結亀吉 丁稚長太 庵崎久作 油屋太郎七 鬼門の喜兵衛 | 玉三郎 権十郎 中村福之助 寺嶋眞秀 吉之丞 彦三郎 仁左衛門 |
二、神田祭(かんだまつり)
鳶頭 芸者 | 仁左衛門 玉三郎 |
第三部
十七世中村勘三郎三十三回忌追善狂言
一、奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)
袖萩祭文
袖萩 安倍貞任 娘お君 義家の郎党 義家の郎党 義家の郎党 義家の郎党 安倍宗任 平傔仗直方 浜夕 八幡太郎義家 | 七之助 勘九郎 長三郎 種之助 玉太郎 歌之助 莟玉 芝翫 歌六 東蔵 梅玉 |
十七世中村勘三郎三十三回忌追善狂言
河竹黙阿弥 作
二、連獅子(れんじし)
狂言師右近後に親獅子の精 狂言師左近後に仔獅子の精 法華の僧蓮念 浄土の僧遍念 | 勘九郎 勘太郎 鶴松 萬太郎 |
みどころ
第一部
一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう) 十種香
八重垣姫の激しく一途な恋心
戦国、群雄割拠の時代。長尾謙信の息女・八重垣姫は、切腹した許嫁の武田勝頼の絵像を仏間に掛け、香を焚いて菩提を弔っています。するとそこへ、絵像に瓜二つの男が現れるので、八重垣姫はひと目で恋に落ちると男に縋りつき、腰元の濡衣に仲立ちを頼みます。花づくりの簑作と名のるその男こそ、実は本物の武田勝頼。切腹したのは偽物で、本物の勝頼は、敵対する長尾家から奪われた諏訪法性の兜をとり返すために、花づくりに姿を変えていたのです。やがて、長尾謙信が現れると…。
戦国の世の武田信玄と上杉(長尾)謙信の争いを軸にした『本朝廿四孝』より、八重垣姫の一途な恋を描く「十種香」。八重垣姫は歌舞伎の「三姫」のひとつに数えられ、優美な動きのなかに激しい恋の情愛を表す大役です。絢爛豪華な錦絵のように、歌舞伎の華麗な色彩美を堪能できる義太夫狂言の名作をご堪能ください。
二、泥棒と若殿(どろぼうとわかとの)
立場の異なる二人の交流を描く心温まる物語
荒れ果てた廃墟のような御殿。この屋敷に泥棒に入ろうと忍び込んだ伝九郎は、床についていた侍に出刃包丁を向けて金を要求します。ところが、侍は一向に動じる様子もなく「気の毒だが金はない」と静かに突っぱねます。実はこの侍は、領主の次男・松平成信で、家督相続をめぐる御家騒動に巻き込まれ、3年前からこの館に幽閉されていたのです。もはや生きる気力も失せ、食料も底をついて飢え死にするのを待っているという有様。その身の上話を聞いた伝九郎は不憫に思うと、翌朝飯の支度をしに戻ってきます。それから二人の奇妙な同居生活が始まりますが…。
強面ながらどこか愛嬌があって情け深い泥棒と、気高くも厭世的な悲運の若殿――立場の異なる二人に芽生える、心の絆。人情の機微を描く山本周五郎の原作で、昭和43(1968)年に初演された、切なく心温まる物語をお楽しみください。
第二部
一、於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり) 土手のお六
鬼門の喜兵衛
鬼門の喜兵衛
悪の凄みを魅力たっぷりに描いた名作
土手のお六と、鬼門の喜兵衛は悪事を働く夫婦。向島・小梅で莨屋(たばこや)を営むお六のもとへ、かつて仕えていた奥女中の竹川から手紙が届きます。そこには、紛失していた御家の重宝の名刀・午王吉光と折紙が油屋にあることがわかったので、とり戻すために必要な百両の金を工面してほしいとあります。お六が思案しているところへ、亭主・鬼門の喜兵衛が帰ってきます。しかし、実はそれらを盗み出した張本人こそ、この喜兵衛。河豚にあたった男の死体に細工をし、強請って金を手に入れることを思いついた二人は、油屋へ乗り込みますが…。
数々の名作を生み出し、「大南北」と称される四世鶴屋南北の本作は、大坂で起こったお染久松の心中の舞台を江戸に移して描いた人気作。惚れた男のために悪事を働く「悪婆」と呼ばれる役柄のお六と、強悪な喜兵衛の夫婦がみせる、南北ならではの悪の魅力を存分にご堪能いただきます。
二、神田祭(かんだまつり)
粋な鳶頭と芸者が魅せる華やかな江戸風情
今日は「天下祭」と謳われる、神田明神の御祭礼。江戸庶民が待ちに待った神田祭とあって、祭囃子が流れる江戸の町は浮き立っています。そこへほろ酔い加減でやって来たのは鳶頭。江戸前のすっきりとした踊りを見せ、祭り気分を盛り上げます。続いて芸者がやって来ると、艶やかな踊りを披露。どうやら二人は訳ありな様子…。江戸の情緒を賑やかに舞い踊ります。
神田祭の様子を清元の舞踊にしたひと幕。粋でいなせな鳶頭、艶やかであだな様子の芸者がみせる、華やぎにあふれる舞台をお楽しみください。
第三部
一、奥州安達原(おうしゅうあだちがはら) 袖萩祭文
源氏と奥州安倍一族の争いに翻弄される親子の悲劇
しんしんと雪の降るなか、盲目の袖萩が幼い娘お君に手を引かれています。父・平傔仗直方の危難を耳にして駆けつけたものの、親の反対を押し切って浪人と駆け落ちした袖萩は対面を許されません。庭の枝折戸の外で破れた三味線を手にした袖萩は、祭文にこと寄せて親不孝を詫び、哀しい今の身の上を語ると、娘の姿をひと目見せたいと伝えますが…。やがて、そこへ姿を現したのは、勅使に化けた袖萩の夫の安倍貞任で…。
平安時代末期、源義家らによって滅ぼされた奥州安倍一族の再興を志す貞任と宗任兄弟による復讐を軸に、それに関わる家族の悲劇が描かれた時代物。前半は哀れな袖萩と健気な娘お君、後半は貞任の豪快さがみどころで、このたびは、袖萩と貞任を当り役とした十七世中村勘三郎の三十三回忌追善狂言として上演いたします。
二、連獅子(れんじし)
獅子の親子の情愛と豪快な毛振り
文殊菩薩が住むという霊地清涼山。その麓の石橋に、狂言師の右近と左近が手獅子を携えて現れ、石橋の由来や、文殊菩薩の使いである霊獣の獅子は仔獅子を谷底へと蹴落とし、自力で這い上がってきた子だけを育てるという故事を踊って見せます。やがて満開の牡丹の花に戯れ遊び、親獅子の精と仔獅子の精が現れると…。
能の「石橋」をもとにした長唄の舞踊で、みどころが多く、歌舞伎の人気舞踊のひとつです。前半は獅子の親子の厳しくも温かい情愛を描き、ユーモラスな間狂言「宗論」をはさんで、後半は獅子の精が豪快かつ華麗な毛振りを見せます。親から子へと、中村屋が大切に演じてきた舞踊を、当月は十七世中村勘三郎の三十三回忌追善狂言として披露いたします。
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