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2月新橋演舞場『帰ってきた 浅草パラダイス』成功祈願
平成21年2月、新橋演舞場であの伝説の喜劇『浅草パラダイス』が8年ぶりに再演されます。
新橋演舞場の2月公演といえば、笑いと涙の人情喜劇シリーズでおなじみですが、その原点ともいえるのが、この『浅草パラダイス』シリーズ。初演は平成9年の『浅草慕情 -なつかしのパラダイス-』で、翌10年には『浅草パラダイス』、12年『ご存じ 浅草パラダイス』、13年『さらば 浅草パラダイス』と計4作品を上演。空前のヒットシリーズとして、数多くのお客様を魅了してまいりました。
1月13日(月)、出演者らが東京・浅草寺を訪れ成功祈願を行い、公演にむけて意気込みを語りました。
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ラサール石井(脚色・演出)
尖ったものからシリアスなものまで、久世先生の独特のギャグは、驚きとして受け取られ、今では古典ともなりつつあります。そんな久世先生の作品に、お客様から「『浅草パラダイス』は良かった、またやらないの?」といったご要望をたくさんいただき、今回の上演を迎えることになりました。
今回は追悼という意味も込めまして、久世先生の残された演出方法、ギャグなどは昔のまま、出来るだけ"久世ワールド"を崩さないよう、そして、柄本さんにも復帰していただき、お馴染みの『浅草パラダイス』を皆さんにお届けしたいと思っております。
柄本明
僕は、8年前の『さらば 浅草パラダイス』で死んでいるので、本来はいない人間なのですが、また帰ってまいります(笑)。
しばらくこの座組を離れさせていただいておりましたが、やはり、勘三郎さんや直美さんに逢いたいという思いと、久世先生には初めてテレビに出演させていただいたりと、大変お世話になったこともあって、久しぶりにこの座組に帰って参ります。とても嬉しい気持ちです。
小島秀哉
かねがね、柄本さん、勘三郎さん、直美さんがおやりになっている『浅草パラダイス』の噂を聞いておりまして、いつか機会があれば、潜り込みたいと思っておりました。
幸い今回、後期高齢者寸前で(笑)潜り込むことができました。皆さんにご迷惑をお掛けしないように楽しくやらせていただきたいと思っています。
中村勘三郎
直美さんのおかつ役、柄本さんの復活という『浅草パラダイス』の世界が帰ってきます。さらに今回は小島さん、美波さんが加わります。なつかしいながらも新鮮な気持ちで、またこのシリーズが出来ることをとても嬉しく思います。そして、ちょっとした役にも小劇場の仲間のすごく良い役者さんたちがたくさん出演してくれるので、きっと目の離せない舞台になると思います。
実は、柄本さんとお芝居の事を話していた翌朝に久世先生が亡くなり、2人でお通夜に行ったことを覚えています。なにか、巡り合わせを感じる、四回忌追悼のこの公演を大切に勤めたいと思っています。
藤山直美
何度も勤めさせていただいているので、皆さんすごくこのお芝居になじんでいますけれど、この座組は、馴れ合いやユルユルとした感じは少しもありません。一人一人の役者が責任をもって演じ、それが一つの作品になっていると思います。
今回柄本さんが帰ってきてくださいます。柄本さんがいらっしゃらない中で、お芝居をしていた私たちと合流して上演できる今回、さらに新たなメンバーも加わりますし、とても楽しみです。
美波
久世先生の脚本を、ラサール石井さんの脚色・演出で、そして大先輩方とご一緒できることをとても幸せな事だと思っています。お稽古は、テンポが早くて、ついていこうと空回りしてしまうこともありますが、とてもアットホームな温かい空気がながれているので、その中で早く落ち着いて、どんどんみなさんになじんでいきたいと思っています。
2月、新橋演舞場がすばらしい世界になると思うので、ぜひお越しいただきたいと思っています。
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【あらすじ】
昭和初期の浅草六区の一角。ここにヘトヘトになって戻ってきた一団があった。芸人の卯之助(中村勘三郎)、演奏が半拍おくれるので「半拍」とあだ名のついたクラリネット吹きの源吉(柄本明)らである。
一ヶ月の予定が三ヶ月にのびたこの旅興行。卯之助の女房おかつ(藤山直美)が察していた通り、行き先が温泉場とあって、仕事ばかりでのびた旅ではなかった。甲斐性無しの亭主を前におかつの怒りは爆発した…。
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伝説の"浅パラ"ワールド。公演情報はこちらをご覧ください。