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「平成中村座 試演会」3年ぶりの賑わい
4月21日(火)、「平成中村座 試演会」が3年ぶりに上演されました。
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前回(平成24年5月)の平成中村座公演以来の試演会、2階の立見席までぎっしり入ったお客様の大きな拍手で幕が開き、『三笠山御殿』が始まります。名題下俳優はくじ引きで役を勝ち取りました。
お三輪は仲之助、十八世勘三郎の最初の弟子で、復活した試演会で得た大役に、「旦那に付けていただいたと思っています」と話しました。鱶七の獅一は4度目の試演会ながら、獅童と同じ役を勤めるのは初めてです。橘姫の仲弥は初めての試演会での大役、淡海の橋三郎は花道から舞台で止まったときに足が震えていたと言います。豆腐買の彌風は役のあまりの難しさに緊張、出の前に勘九郎から何度も励まされたと明かしました。
「おたのしみ座談会」は、橋之助の「平成中村座がこんなに早くできたのも勘九郎、七之助が一所懸命頑張ってきたからこそ。二人へのご褒美」との言葉を皮切りに、出演者それぞれが3年ぶりに浅草へ帰ってきた平成中村座への思いを語りました。
「二人の共通の夢が平成中村座を建てたい、ということでした」と七之助が言い、勘九郎は「父に代わって申し上げます、本当にありがとうございます」と、お客様へ深々と頭を下げて感謝しました。また、「父が、平成中村座をやるときは、必ず試演会をと言っていました。お客様の前で演じることがなによりいい経験になるんです」と勘九郎。七之助も「人に教えることが自分にとっての勉強になった」と、試演会の意義を語りました。
「父の夢の芝居小屋、僕たちがいい役者になって、いい中村座にしていかないといけない」と、勘九郎が故人の思いを未来に向けて引き継いでいく決意を語ると、出演者全員が大きくうなずき、さらに若手俳優たちは、平成中村座で毎日、自分の役を一所懸命勤めていくと意欲的な姿勢を見せました。