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「2014年 平成中村座ニューヨーク公演」が7月に決定
2014年7月7日(月)~12日(土)、ニューヨークのローズシアターにて「2014年 平成中村座ニューヨーク公演」が行われることが発表になりました。平成中村座はこの公演で「リンカーンセンター・フェスティバル」に3度目の参加を果たすことになり、出演の中村勘九郎、中村七之助、中村獅童が発表会見に臨みました。
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夏のニューヨーク恒例の「リンカーンセンター・フェスティバル」は、世界中から選ばれた舞台芸術の祭典。一流の演劇、ダンス、音楽が披露されるとあって、毎年、目の肥えたニューヨーク市民が楽しみにしている一大イベントです。平成中村座は2004年『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』、2007年『法界坊』と2回参加しており、来年は3度目の参加となります。
今回の参加にあたり、フェスティバルの芸術監督であるナイジェル・レディン氏は、勘三郎の早逝を惜しみつつも、「日本の文化的背景と歌舞伎400年の歴史を教えてくれる」公演と、大きな期待を込めたコメントをVTRで寄せました。
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上演されるのは『怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)』。十八世中村勘三郎が平成2(1990)年8月に三世實川延若から教わって復活させた演目で、一昨年の8月の新橋演舞場公演で勘九郎が直接、勘三郎から受け継ぎ、今年3月の赤坂ACTシアターで再演しました。この3月の公演をベースにして今回の上演が行われます。
3役早替り、本水を使った滝の立廻りなどが大きなみどころの一つとなる作品ですが、見ているだけではわからない部分が多く、勘九郎は「直接教わっておいて本当によかった、父に感謝」と言います。七之助も、「歌舞伎のアナログ感、底力。人間、やればここまでできる!という集大成の芝居です」と、その魅力をアピールしました。
反面、「長い話をカットして上演しているので、人間関係や背景が希薄になり、ただの見世物になってしまう恐れもある。そうならないよう、出演者それぞれが芯に見えるキャラクターをつくり、うわべだけの芝居にならないよう肝に銘じて演じたい」と七之助。獅童も「早替りや本水でお客様は喜んでくださるけれど、役者は役の性根をつかんでドラマをつくらないといけない」と、気を引き締めました。
「最初のニューヨーク公演を拝見して、うらやましい、いつか自分もやりたいと思っていたのが実現し、とてもうれしい。勘三郎のおにいさまの魂を忘れずに演じたい」と獅童が意気込むと、平成中村座もニューヨーク公演も、勘三郎が勘九郎時代に始めたということで、「"勘九郎"の名前がいろんなところに戻ってくるのがうれしい。父が喜んでくれるようにやりたい」と、勘九郎も力強く誇りをもって語りました。
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ローズシアターはリンカーンセンターにある劇場の一つで、特に音響面が優れており、座席構成が変更できるため、音楽のみならず、オペラ、演劇など幅広く上演されています。今回は客席数900程度、公演は全8公演を予定。また、ロビーでは浅草の職人が扇子や江戸文字、彫金などのパフォーマンスを見せる趣向なども考えられており、大きな意味で日本文化発信の意義を担う海外公演となります。
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2014年 平成中村座ニューヨーク公演
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『怪談乳房榎』(かいだんちぶさのえのき)
配役:菱川重信/下男正助/蟒三次:中村勘九郎
重信妻お関:中村七之助
磯貝浪江:中村獅童
■日程
2014年7月7日(月)~12日(土)
※9日(水)、12日(土)は昼夜2回公演、全8公演
■会場
ローズシアター
(ジャズ・アット・ザ・リンカーンセンター[JALC])
33West 60th Street 11th floor New York, NY 10023
Lincoln Center Festival 2014(リンカーン・センター・フェスティバル2014)公式サイトはこちら