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勘九郎、七之助「平成中村座姫路城公演」に向けて

勘九郎、七之助「平成中村座 姫路城公演」に向けて

 

 2023年5月3日(水・祝)から姫路市 姫路城三の丸広場で開催される、「姫路城世界遺産登録30周年記念 平成中村座姫路城公演」に出演の中村勘九郎、中村七之助が、公演について語りました。

姫路城に初お目見得の「平成中村座」

 姫路城世界遺産登録30周年を記念し、平成中村座初めての姫路城公演の開催が決定しました。昼夜ともにご当地狂言が配され、昼の部では姫路城が舞台の怪談『播州皿屋敷』と、十七世、十八世勘三郎も演じ、中村屋にとって大切な演目である『鰯賣戀曳網』を、夜の部では華やかで明るい舞踊『棒しばり』と、姫路城の天守閣で繰り広げられる物語『天守物語』を上演します。

 

勘九郎、七之助「平成中村座 姫路城公演」に向けて

 

 勘九郎は、「以前より姫路城で平成中村座ができないかとずっと思っていましたので、本当に光栄でうれしいです」と、まずは率直な喜びを口にします。「国宝、世界遺産ですし、“白鷺城”という名前もある通りとても魅力的で、また少し異世界の者も住んでいるような、魅力と魔力をもっているお城」と、姫路城を表現し、公演が待ちきれない様子を見せました。

 

 七之助も、「平成中村座が今まで行ったことのない土地での公演ですので、中村座の歴史に新たな1ページが加えられることをうれしく思います」と、喜びを表しながら、「以前姫路城に入らせていただいた際に、混雑で天守まで上がることができませんでした。今回の公演でうかがう際に、初めて天守に上がることができると思いますので、神聖な気持ちで(姫路城の天守閣に暮らす)富姫を勤めることができるのではないかとドキドキしております」と、笑顔を見せました。

 

二つのご当地狂言と、中村屋ゆかりの演目

 今回の演目立てについて、「天守に上れば富姫様が祀られていて、帰り道にはお菊の井戸が城内にある。これはもう必ず『播州皿屋敷』と『天守物語』の2演目をやらなければいけないなと、ずっと画策しておりました」と、まずはご当地狂言について語る勘九郎。「『播州皿屋敷』は、中村座ならではの間口や仕掛けで趣向を凝らせるのではと思っています。また、私が初めて本作を見たのは(中村)芝翫のおじと(中村)扇雀さんが勤めていた舞台ですが、その息子二人(中村橋之助、中村虎之介)が、親と同じお役を勤めます」と、アピールしました。

 

 続く『鰯賣戀曳網』は、「三島由紀夫先生の作品のなかでも数少ない、ユーモアがあって、ハッピーエンドの作品。これも趣向を凝らして、姫路城公演ならではのものができれば」と、演出面での構想も明かします。これまでにも何度も勤めている『棒しばり』は、「父も大切にしてきた演目を、橋之助とともに踊れることを本当にうれしく思います」と述べ、二人が見せる新たなコンビネーションに期待が高まります。

 

勘九郎、七之助「平成中村座 姫路城公演」に向けて

 

『天守物語』の世界に没入して 

 七之助は、『天守物語』の天守夫人富姫を初役で勤めます。「ご当地狂言なので『天守物語』を、と口で言うのは簡単ですが、とんでもない演目を選んでしまったなという気持ちです」と、傑作舞台に挑む心境を緊張の面持ちで吐露します。これまで富姫を多く勤め、今回演出をつとめる坂東玉三郎へ、勘九郎が深い感謝を述べ、七之助も、「玉三郎のおじ様が手取り足取り、演出にも入ってくださいますし、心強いですので、よくうかがって素敵な『天守物語』を皆でつくっていけたら」と、続けました。

 

 「改めて台本を読んで、やはり言葉や表現の美しさにそれはもうすごいものがあるなと感じました。ともすれば美術品を見るかのような気持ちになりうる作品ですが、そこにはとても深い愛情や情愛が描かれています。実際のお城がそこにあるというだけで、お客様が自ら天守の図書之助と富姫を横から覗き見ているような感覚になっていただけるのでは。土地の力で、(物語の)続きを引きずって持ち帰ってくださるのではと思います」と思いを込め、「観終わった後にふっと振り返ったら本物の姫路城があるというのは、なかなか味わえないですよね」と、ご当地上演への期待に目を輝かせました。 

 「姫路城世界遺産登録30周年記念 平成中村座姫路城公演」は、5月3日(水・祝)から27日(土)までの公演。チケットは3月4日(土)から、チケットWeb松竹チケットホン松竹で発売予定です。

 

勘九郎、七之助「平成中村座 姫路城公演」に向けて

 左より、中村七之助、中村勘九郎、山根成之松竹株式会社専務取締役

2023/02/03