月乃助が「初春新派特別公演」鏡開きでご挨拶

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前列右より西村幸記松竹株式会社執行役員、勝野洋、水谷八重子、波乃久里子、市川月乃助、中陽次日本橋三越本店長

 

 1月2日(金)、三越劇場「初春新派公演」の出演者たちが鏡開きを行い、『大つごもり』に出演する市川月乃助もほかの出演者とともにご挨拶をしました。

 明治、大正、昭和を通して女方芸を追求し、新派の名女方と呼ばれた花柳章太郎の没後50年、今年の「初春新派特別公演」は、花柳の最後の舞台となった『大つごもり』『寒菊寒牡丹』が上演されます。初日の2日は日本橋三越本店の“初商い”とあって、館内は大賑わい、1階の中央ホールに出演者たちが舞台衣裳で登場すると、観覧に集まったたくさんのお客様から歓声が上がりました。

 三越劇場ができて88年、恒例となった初春新派公演は8年目、また、特設ステージの後ろに鎮座する「天女(まごころ)像」が完成して55年と、おめでたいぞろ目が並んだ2015年正月の新派公演。水谷八重子は「私も“八”重子、よろしくお願いします」と場を沸かせました。

 続けて「『大つごもり』のあやは、市川翠扇先生がお得意となさったお役。どこまで気まぐれな女将さんが勤められますか。『寒菊寒牡丹』の妻吉は、今は時代が変わってしまったので、不条理劇に思われてしまうのではと怖いのですが」と、八重子が勤める役について語りました。波乃久里子は「『大つごもり』のおみねは、真心のある役ですので、この(中央ホールに立つ)まごころ像の力を得て演じられたら」と語りました。

 勝野洋は新派の舞台に出演するのは初めて。「三越劇場が新しくなってから初めての出演ですが、素晴らしい共演者の方々と出会い、すごく縁起がよいのではと思っております」と話しながらも、本音はすぐにでも稽古に戻りたいと、緊張感も垣間見せました。

月乃助が「初春新派特別公演」鏡開きでご挨拶

 月乃助は新派の鏡開きは2年ぶりの参加で、「清々しい気持ちで新年を迎えさせていただきました。この公演の初日は、1年の初日、身が引き締まる思いです」とご挨拶。実は前日に猿翁から「新派に骨をうずめるくらいのつもりでしっかりやりなさい」と激励されたことを明かし、「いつも新派の方々には温かく迎えていただき、ありがたい。大好きな皆さんです」と、千穐楽までの舞台に打ち込む意気込みの強さを見せました。

 ステージには『寒菊寒牡丹』でトリプルキャストで菊葉を勤める瀬戸摩純、石原舞子、鴫原桂も紹介され、波乃は「今日は自分のことはもちろんですが、三人のことが…」と自分が勤めた役に挑戦する後輩を気遣いました。鏡開きにはお正月らしく獅子舞も登場し、中央ホールは初売りの声にも負けない賑やかさとなりました。 

 三越劇場「初春新派公演」花柳章太郎没後五十年追悼『大つごもり』『寒菊寒牡丹』は、26日(月)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹三越劇場チケットショップほかにて販売中です。

月乃助が「初春新派特別公演」鏡開きでご挨拶

2015/01/03