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愛之助、壱太郎が語る「永楽館歌舞伎」
11月4日(日)~9日(金)、兵庫県豊岡市、永楽館で上演される「第五回永楽館歌舞伎」の製作懇親会が大阪市内で開かれました。懇親会には片岡愛之助と中村壱太郎が出席。公演への思いを語りました。
■節目となる5回目の「永楽館歌舞伎」
「永楽館歌舞伎」は、上方歌舞伎の継承がコンセプトの公演で、今回が5回目。第1回から座頭を勤める愛之助は、当初は公演自体を続けられるどうか不安の中でのスタートであったことなどを振り返り、「成駒屋を代表して壱太郎さん、松嶋屋からは僕、そこに上村吉弥さん、坂東薪車さんといった面々、さらには父(秀太郎)や東京の俳優さんが参加してくださるなど、いろいろな形で支えていただいています。皆さんのお陰で無事に第5回を迎えることができました。本当にありがとうございます」と感謝の言葉を述べ、5回目の公演開催に感慨もひとしおの様子でした。
「出石は、町の人たちがとても温かく、ボランティアの方々も毎年熱心に僕たちをバックアップしてくれます。行けば行くほど好きになる町で、毎年この公演を楽しみにしています」という壱太郎も、愛之助とともに第1回から出演しており、今回の公演を「節目の公演」であるとして、思い入れを感じさせました。
■永楽館の地、豊岡ゆかりの『実録忠臣蔵』
『実録忠臣蔵』の上演は、「いつか豊岡という土地にゆかりのある出し物をと考えていた」という愛之助の思いから実現したもので、大石内蔵助の妻りくの故郷が豊岡ということで「地元の方々も楽しみにしていただけるでしょうし、上演されることが少ない演目ですが、いろんな工夫をして面白いものにしたい」とのこと。
作品自体を今回はじめて知ったという壱太郎も、りくを演じることについて「地元ゆかりのお役を勤めさせていただけることがうれしい」と語り、昨年の『引窓』に続いて愛之助と夫婦役で共演できることとあわせ、楽しみにしているようです。
■永楽館だからできる本水を使う『鯉つかみ』
『鯉つかみ』も上演されることが少ない演目のひとつ。今回はさらに本水を使った演出で行われます。「舞台に水槽を作らなければならないので、コンクリートの劇場では無理」だと聞いた愛之助が「永楽館ならできるのではないか」と考え、実現に至ったようで「この演目は私にとっても最初で最後の演目になるかもしれません」という挑戦の一幕です。小桜姫を演じる壱太郎も、「新たな演出もあるということですし、大切に演じたいと思います」と意気込みを語りました。
兵庫県豊岡市出石町で行われる「第五回永楽館歌舞伎」は、11月4日(日)~9日(金)まで。初日前日の3日(土・祝)14時半からは、出石お城まつり会場にて、出演者によるお練りも行われます。公演とあわせてこちらにも足をお運びください。