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博多座『石川五右衛門』初日の賑わい

 11月3日(木・祝)、「博多座十一月花形歌舞伎」で、『石川五右衛門』が初日の幕を開けました。

 歌舞伎の『石川五右衛門』が博多座で幕を開け、TVドラマの「石川五右衛門」も毎週金曜日に放映中と、海老蔵の五右衛門が大活躍を見せる11月。初日の博多座は入り口近くに俳優たちの幟が立ち、壁面には大看板も上がって、エントランスでは見上げるほどの大きな生け花がお客様を迎えます。

 

 今回の『石川五右衛門』も樹林伸の作ですが、物語は昨年1月の新橋演舞場公演とはがらりと変わっています。海老蔵の演じる石川五右衛門は、昼は大道芸人、白浪与左衛門一座の座頭、夜は盗賊の頭。TVドラマと同じで、一座の百助や金蔵、堅田の小雀も登場します。

 

 しかし、変わらないのは天下の大泥棒として、堂々と秀吉と渡り合うその大きさです。術を用いて五右衛門を追い込んだワンハンの悪人ぶりに磨きがかかり、茶々をめぐる争いもいっそう熾烈になって、最後の最後まで両者の力が拮抗したまま物語が進みます。

 

 そして迎える終盤には、舞台狭しと現れたねぶた。宙乗りや大坂城の金の鯱を盗む大立廻りを見せた海老蔵が、最後に巨大なねぶたから見る「絶景」とは…。

 

 幕切れは海老蔵の語っていたとおり、ねぶたに舞台いっぱいの踊り手、その賑わいにも負けない迫力の津軽三味線が響き渡り、興奮のうちに幕となりました。初日の3日にはTVドラマで百助を演じる山田純大、金蔵役の前野朋哉もゲスト出演し、なんと歌舞伎とドラマで同じ金蔵を演じる猿弥と前野がやり合う場面もつくられました。

  「博多座十一月花形歌舞伎」『石川五右衛門』は、25日(金)までの公演。チケットは、博多座ほかで販売中です。

2016/11/05