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海老蔵が語る、歌舞伎座「七月大歌舞伎」

海老蔵が語る、歌舞伎座「七月大歌舞伎」

 

 2022年7月4日(月)から始まる歌舞伎座「七月大歌舞伎」第二部『夏祭浪花鑑』『雪月花三景 仲国』に出演の市川海老蔵が、公演に向けての思いを語りました。

 「七月大歌舞伎」第二部、『夏祭浪花鑑』で、海老蔵は幾度も勤めてきた団七九郎兵衛を、堀越勸玄は初役となる伜市松を勤めます。第二部では続いて、新歌舞伎十八番の一つ『雪月花三景 仲国』を、このたび歌舞伎座で初めて上演します。仲国を海老蔵が、女蝶の精を市川ぼたん、男蝶の精を堀越勸玄がそれぞれ勤め、親子三人が歌舞伎座の舞台にそろうことになります。

 

団七九郎兵衛という男

 『夏祭浪花鑑』について海老蔵は、「勘三郎のお兄さん(十八世中村勘三郎)の『夏祭浪花鑑』を見て、素敵だなと(感じた)」と、その出会いを振り返ります。自分が演じるにあたり、勘三郎から多くのことを教わったと言い、なかでも、「大事なのは男の絞り切った汁なんだ、それが出るように頑張れと(言われた)。それが一番大きかったですね」と、両手で何かをぐっと絞るような手ぶりを交えて語りました。

 

 団七九郎兵衛という男について、「義平次への親子としての礼儀があり、御恩がある方の息子である磯之丞を死に物狂いで守るという男気がある。ぶれない姿勢がすごいと思います。そうした男であることを踏まえて、磯之丞や義平次に接していきたい。きっと“絞り出るもの”が変わってくるはず」と、いきいきと語る海老蔵の熱い口調から、作品への熱い思いが伝わります。

 

海老蔵が語る、歌舞伎座「七月大歌舞伎」

 

親子三人で歌舞伎座へ

 歌舞伎座で初めて1カ月の本興行に出演するぼたんは、「3人で踊るのも久しぶりなので本当にうれしいですし、歌舞伎座に出させていただけることがうれしいです。一所懸命踊らせていただきます」と、思いを丁寧に伝えました。海老蔵は、「彼女の、舞踊に対しての向き合い方はとても真摯で真面目。それだけでなく、見ている人に通用するところまで磨き上げているなというのが、俳優としての私の率直な評価です」と、期待を寄せます。

 

 11月そして12月に行われる、海老蔵の十三代目市川團十郎白猿襲名披露興行で、ともに八代目市川新之助を襲名する勸玄は、「堀越勸玄として舞台に出るのは7月が最後なので、ぜひ皆様観に来てください。 精一杯頑張ろうと思います」と、はきはきと挨拶しました。「改めて襲名も決まり、彼は9歳の歌舞伎俳優としての情熱を、ふつふつと燃やしている段階です」と、言葉を添えた海老蔵も、その姿を頼もしく感じている様子です。

 

海老蔵が語る、歌舞伎座「七月大歌舞伎」

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 海老蔵は、「成田屋としては『夏祭浪花鑑』での親子共演は初めてですし、ぼたんが歌舞伎座の本興行に出られること、親子三人で歌舞伎座に出られることなど、いろいろと初物づくしです」とうれしさをにじませながら、「私も、海老蔵として歌舞伎座に出演する機会も残り少なくなってきたので、一所懸命、舞台に集中して勤めたいと思います」と、「七月大歌舞伎」への前向きな思いを伝えて締めくくりました。

 歌舞伎座「七月大歌舞伎」は、7月4日(月)から29日(金)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2022/07/01