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歌舞伎座で「十三代目市川團十郎白猿襲名披露記念 歌舞伎座特別公演」を開催

歌舞伎座で「十三代目市川團十郎白猿襲名披露記念 歌舞伎座特別公演」を開催

 窓には鳳凰と三升の意匠が並び、外観装飾も襲名一色に

 

 2022年10月31日(月)~11月1日(火)、歌舞伎座で「十三代目市川團十郎白猿襲名披露記念 歌舞伎座特別公演」が行われました。

 この「十三代目市川團十郎白猿襲名披露記念 歌舞伎座特別公演」をもって、市川海老蔵が新たに十三代目市川團十郎白猿を、堀越勸玄が八代目市川新之助を名のることになります。約2年にわたり行われる襲名披露興行がいよいよここから幕を開けます。

歌舞伎座で「十三代目市川團十郎白猿襲名披露記念 歌舞伎座特別公演」を開催

 『神歌』

 特別公演の冒頭を飾ったのは、神聖で祝儀的な曲である「翁」を素謡形式で上演する『神歌』。このたびの門出を祝い、二十六世観世宗家の観世清和、観世銕之丞をはじめ、現在の能楽界を牽引する豪華な出演者により披露されました。静粛な歌舞伎座の場内に、厳かな謡いが朗々と響き、十三代目團十郎の襲名、そして八代目新之助の初舞台を寿ぎました。

 

 続く「顔寄せ手打式」は、それぞれの興行における配役など、諸々の取決めが定まったしるしとして、出演俳優と舞台関係者がそろって手締めを行う古くからの儀式です。十一世團十郎、十二世團十郎の襲名披露興行の際も、歌舞伎座の舞台上で開催されました。

 

歌舞伎座で「十三代目市川團十郎白猿襲名披露記念 歌舞伎座特別公演」を開催

 「顔寄せ手打式」

 

 幕が開くと、11月からの襲名披露公演の出演者をはじめとする歌舞伎俳優96名および歌舞伎演奏者、関係者ら総勢104名がずらりと並ぶ圧巻の光景が広がります。「狂言名題披露」として、狂言作者の竹柴正二が歌舞伎座の襲名披露興行で上演される狂言名題を読み上げ披露したのち、古賀静義頭取の音頭で関係者による手締めが行われ、続いて、迫本淳一松竹株式会社社長、松本白鸚、團十郎、新之助がそれぞれご挨拶しました。

 

歌舞伎座で「十三代目市川團十郎白猿襲名披露記念 歌舞伎座特別公演」を開催

 挨拶を述べる海老蔵改め市川團十郎

 團十郎は、「歌舞伎のために生きる團十郎になれるよう、日々精進、努力する覚悟でございます」と真摯に語り、会場から大きな拍手が送られました。尾上菊五郎日本俳優協会理事長の音頭で、舞台と客席が一体となって行った手締めの音が、場内の空気をきりりと引き締め、めでたく「顔寄せ手打式」の結びとなりました。

 

 幕間を挟み、舞台上のスクリーンでは「襲名記念特別映像」を上映。懐かしい映像とともに、過去から未来へと引き継がれていく團十郎という存在を印象づけます。

 

 特別公演の締めくくりには、襲名を記念して、歌舞伎十八番の『勧進帳』を上演。團十郎が勤める弁慶に相対する富樫を片岡仁左衛門、そして義経を坂東玉三郎が勤めます。貴重な舞台を一瞬でも見逃すまいと、誰もが食い入るように舞台を見つめます。新團十郎としての第一歩を踏み出すかのように、六方で力強く花道を進む弁慶の姿を、万雷の拍手が包み込み、鳴り止むことがありませんでした。

 なお、この特別公演より、劇場指定の関係者による大向うが再開しました。歌舞伎座の空間に「成田屋!」の大向うが響き渡り、舞台を盛り上げました。歌舞伎座「十一月吉例顔見世大歌舞伎」は11月7日(月)から28日(月)まで、歌舞伎座「十二月大歌舞伎」は12月5日(月)から26日(月)までの公演。11月公演はチケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中、12月公演は11月14日(月)から発売予定です。

2022/11/02