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染五郎がシネマ歌舞伎『阿弖流為〈アテルイ〉』DVD発売を発表
7月14日(金)、大阪 なんばパークスシネマでシネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』舞台挨拶が行われ、市川染五郎が登壇、来年1月のDVD&ブルーレイの発売を発表しました。
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『阿弖流為〈アテルイ〉』の愛されキャラクター、くま子を手に登壇した染五郎。その染五郎の「今までにない形、舞台より面白い作品に」という条件でシネマ歌舞伎となった『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』が、来年1月、DVD&ブルーレイで発売されることが発表されました。
ドラマがよりダイレクトに伝わるシネマ歌舞伎
「舞台はお客様が自由に見られますが、映像は、ここを見て、と進んでいくので、ストーリー性、ドラマ性の高い『阿弖流為』が、よりわかりやすくなっていると思います」。花道の七三の無人カメラも含む19台のカメラが、物語をナビゲート。「実は、萬次郎さんだけ、舞台でマイクを付けていなかったんです。シネマ歌舞伎の撮影のときだけ、テストをして集音マイクを付けましたが、それ以外は、出演者の中で一人だけ生声でやっていたんです。皆さん気づかなかったと思いますけど。本当にすごい人です」といったエピソードも明かされました。
さらに、「戦物語ですから、アクション、立廻りが多く、阿弖流為は先頭に立っているわけですが、毎日、(阿弖流為役で)舞台を勤めていると、ここまで僕は強くなくてもいい、今日はここでやられてもいいんじゃないか、というところまで行きかけた日がありました」との話からは、立廻りの激しさがよく伝わってきました。「台本には一網打尽になぎ倒す阿弖流為…、歌舞伎ならひと回りすると皆が倒れますけど、歌舞伎NEXTは一人ずつ斬らないといけないので大変なんです」。
歌舞伎? 歌舞伎じゃない?
シネマ歌舞伎が今までにない形を掲げてきたのと同じく、舞台もこれまでにない歌舞伎として、歌舞伎NEXTと命名されました。「歌舞伎をつくろうという意識でつくったら、新しい歌舞伎になると思っていました。しかし、新作はいつも歌舞伎か歌舞伎じゃないかと問われるので、古典歌舞伎ではない歌舞伎だと、人に聞かれる前にこちらから区別をつけようと、皆で考えました。新橋演舞場だから新橋歌舞伎? 地名はなんか違う、〇〇歌舞伎はあるけど歌舞伎〇〇はないから…、と決まったのが、歌舞伎NEXTでした」。
シネマ歌舞伎になった新橋演舞場の初演から2カ月後、一昨年の10月には大阪松竹座で再演されました。「大きな劇場でやって、コンパクトなところでやるのは理想的。練り上げられた迫力が生まれたと思います」。次なる歌舞伎NEXTへの期待も高まります。「構想中です」とのひと言には会場から大きな拍手が沸き上がりました。
染五郎最後の大阪の夏
大阪松竹座「七月大歌舞伎」で昼夜ともに初役という舞台の合間に駆けつけた、シネマ歌舞伎の舞台挨拶。「『夏祭浪花鑑』の団七は、中村屋のおじさん(十七世勘三郎)、お兄さん(十八世勘三郎)の思い出がたくさん。お客様に中村屋の『夏祭』、よかったね、と思いだしていただけるようにと勤めています。『盟三五大切』は源五兵衛(仁左衛門)がやっぱりかっこいい。毎日、舞台でどれだけかっこいいかを感じています」。
「大阪ではいろんなことをさせていただき、いろんなことに挑戦させていただきました。襲名しても来年も変わらず、歌舞伎が好きだ、歌舞伎はこれだけ面白い、こんな新しい歌舞伎がある、とやっていきたい。ぜひとも歌舞伎をご覧ください」と力強く語り、今度はかっこいい源五兵衛から女を奪う三五郎として立つ、大阪松竹座の舞台へと帰っていきました。
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シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』
DVD&ブルーレイ
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■発売
2018年1月10日(水)発売
■発売メディア
DVD&ブルーレイ