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扇雀が日本芸術院賞に選出
3月23日(金)、平成29年度(第74回)日本芸術院賞授賞者が決定、中村扇雀が授賞者の一人として発表されました。
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日本芸術院は平成29年度(第74回)日本芸術院賞授賞者として8名を決定、音楽・演劇・舞踊において3名の授賞者を発表しました。その一人として中村扇雀は、「『桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ) 帯屋』お絹(平成29年4月歌舞伎座)、『新口村』傾城梅川(同年11月歌舞伎座)等、近年の歌舞伎俳優としての活躍に対し」、賞を贈られます。授賞式は6月18日(月)に日本芸術院で行われます。
芸術院賞は、日本芸術院会員以外の人を対象に、「卓越した芸術作品と認められるものを制作した者および芸術の進歩に貢献する顕著な業績があると認められる者」に対して贈られる賞です。
中村扇雀、受賞にあたって
去年、平成29年は初舞台から50年でした。受賞にあたり、歌舞伎の家に生まれて日本固有の演劇、歌舞伎に携われて、歌舞伎役者として生きていることについて、先祖にまず感謝します。そして今日まで導いてくださったすべての先輩方に心から感謝申し上げます。歌舞伎という演劇には、400余年間支えてきた役者をはじめすべての関係者の思いが詰まっています。2020年に向け、世界に誇れる舞台演劇として日本に歌舞伎があることを、日本の皆様にはもちろん世界にも知っていただく、そして、その歌舞伎を残していくための作業を、死ぬまで微力ながらしてまいりたい。
歌舞伎は400余年の間にいろんな発展を遂げ、またこれからも遂げると思いますので、先輩たちが後世に残してくださったことを思いつつ、次の時代につなげていけることをやっていけたらなと。生きている限り、素晴らしい歌舞伎を一人でも多くのお客様に楽しんでいただけるように、これからも歌舞伎のために生きていきたいです。
受賞後も今までどおり、鴈治郎家のものも、立役も、新しいものもオールマイティーに、海外公演なども含めてやっていきたい。歌舞伎には可能性が無限大にあり、それが歌舞伎の素晴らしいところです。また、その時代の最先端を、皆さんの度肝を抜くようなことをやっていく、それが歌舞伎の底力でもあります。歌舞伎という演劇に携われた限りは、先輩たちがやって来たことを引き継ぎ、さらにふくらませていくこともやっていきたいと考えております。
(談)