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博多座「六月博多座大歌舞伎」初日の賑わい

博多座「六月博多座大歌舞伎」初日の賑わい

 

 2024年6月2日(日)、博多座「六月博多座大歌舞伎」の初日の幕が開きました。

 博多座開場二十五周年記念となる今年の「六月博多座大歌舞伎」。昼の部最初の演目は、芸術家の独特な心情や悲運の将軍の愁いを描く『修禅寺物語』。彌十郎の面作師夜叉王、松也の源頼家、新悟の夜叉王娘姉桂の配役で、新歌舞伎ならではの名ぜりふを味わい深く演じます。続く『身替座禅』は、愛人と浮気したい山蔭右京(松也)と嫉妬に悩む奥方玉の井(彌十郎)をユーモラスに描く松羽目物。『修禅寺物語』とがらりと変わった喜劇味で、客席は何度も大きな笑いに包まれました。最後の幕は、恋人たちの悲しい逃避行を題材にした上方和事の名作『恋飛脚大和往来』「新口村」。梅玉が亀屋忠兵衛・父孫右衛門の2役を演じ、扇雀の傾城梅川とともに、舞台に降り積もる雪のように積み重ねた至芸で人間ドラマをじっくりと見せ、初夏の博多の昼の部を締めくくりました。

 

 夜の部は、博多座では22年ぶりの上演となる通し狂言『東海道四谷怪談』。四世鶴屋南北が人間の業と因果を描いた、怪談物の傑作です。民谷伊右衛門(松也)と直助権兵衛(彌十郎)が悪事に手を染める一幕目に続き、二幕目はお岩(尾上右近)が毒薬でみるみる醜い姿に変わっていく様に、客席は息を飲みます。戸板返し・提灯抜け・仏壇返し、舞台上での宙乗りなど、歌舞伎ならではの大がかりな仕掛けの連続に、客席からどよめきと歓声があがり、幕切れには惜しみない拍手が贈られました。

 博多座「六月博多座大歌舞伎」は、17日(月)までの公演。チケットは、博多座オンラインチケット、電話予約センター、劇場窓口ほかで販売中です。

2024/06/05