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白鸚、幸四郎らが「船乗り込み」で博多座へ

白鸚、幸四郎らが「船乗り込み」で博多座へ

 5月30日(水)、博多座「六月博多座大歌舞伎」の開幕を前に「船乗り込み」が行われ、襲名披露の松本白鸚、松本幸四郎をはじめ出演者が博多の皆さんに挨拶しました。

 出演者と歌舞伎ファンの熱気が、曇りの予報を覆し、まぶしい初夏の光が降り注いだ出発地のキャナルシティ博多。「六月博多座大歌舞伎」の船乗り込みは出発前からおおいに賑わいました。

 

 「梅雨の中休みと申しますか、日差しがたいへん強うございます。この暑さの中を川風に乗って、さわやかにまいりたいと思います。私が名前を変えまして初めて博多にうかがったのは、昭和49(1974)年の10月でございました。博多座さんには平成23(2011)年6月以来、7年ぶりのお目見得でございます」と切り出したのは白鸚。

 

 幸四郎は十代目の名のりをあげ、「この博多座におきまして諸先輩にご出演いただき、大歌舞伎興行を父とともにさせていただきますこと、本当にありがたく存じます。母は博多出身、私の体には博多の血が入っている、しかし、父の体には入っておりません、誰よりも私にご声援のほどよろしくお願い申し上げます」とユーモアたっぷりの挨拶に、会場が和やかな笑いに包まれました。

 乗船式を終え、清流公園から賑やかな囃子の船、白鸚と幸四郎が乗り込んだ船に続き、次々と博多川に俳優を乗せた船が漕ぎ出して、今度は沿岸や橋の上から絶え間なく降り注ぐ紙吹雪が、俳優たちを包み込みました。幟の立った船が近づくにつれ、屋号のかけ声も増えていきます。「高麗屋!」「二代目!」「十代目!」の声もたくさんかけられ、その声にこたえて船上に立ち上がって手を振る白鸚へ、さらに大きな声援が送られました。

 

白鸚、幸四郎らが「船乗り込み」で博多座へ

 

 1時間近くかけてようやく博多座隣の式典会場に到着した一行は、暑さを忘れさせるような爽やかな挨拶でお集まりの皆さんを沸かせました。白鸚は再び、「ただ一心不乱に襲名披露の舞台に励みます。博多座でお待ちしております。どうぞ、皆様お誘い合わせのうえおいでください」と呼びかけました。

 

 最後に幸四郎が、「一所懸命すべてを出し切って勤めさせていただきますので、この高麗屋、父との襲名披露興行、我々の第一歩の生き証人になっていただきたく、ぜひとも、劇場の方へ足をお運びください」とお願いし、めでたく博多手一本にて船乗り込みを終えました。

 二代目白鸚、十代目幸四郎として初めての博多座、二人が何を見せてくれるのか、おおいに期待される6月。博多座「六月博多座大歌舞伎」は6月2日(土)から26日(火)までの公演。チケットは博多座のオンラインチケット、電話予約センター、劇場窓口ほかで販売中です。

2018/05/30