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『NARUTO -ナルト-』初演の開幕に向けて

『NARUTO -ナルト-』初演の開幕に向けて

 

 

 8月4日(土)、新橋演舞場『NARUTO -ナルト-』の開幕を前に、坂東巳之助、中村隼人が初日に向けての意気込みを語りました。

 「長大な原作から(舞台作品として)完結させることを最初の目標に掲げました。3時間ちょっとの舞台に収める作業のなかで、“ここをやらねばなるまい”という場面を選りすぐってやってきました。ですから、始まったら終わるまで全部がみどころの、スピーディー、かつ濃密な作品になっております」と巳之助。続けて隼人も、「脚本・演出のG2さんと巳之助兄さんと三人で話し、やりとりしてつくったので、原作漫画をご存じない方でも楽しめる作品になっています」とアピールしました。

 

物語に沿った立廻り、アクション

 原作は戦いのシーンに何ページも割かれることがあり、「バトル漫画といわれますが、戦うことでキャラクター同士が気持ちを交換し合ったり、物語が前に進むのがバトル漫画だと思います。舞台作品としてもアクションシーン、立廻りが物語の進行上、不可欠な場面、つまり、芝居の流れのなかの一つになっています」。巳之助はリアルタイムで原作を読んできた身として、「僕自身もがっかりしたくない」と真摯に作品づくりに向き合ってきました。

 

 実際には、歌舞伎の型を踏襲した立廻りに加え、「もっともっと速い立廻りも、歌舞伎ではなかなかみられないアクションになっているところも結構あります。アクション担当の皆さんは、形を見せるなかにもリアルさが入るので、歌舞伎俳優としてはそういうところの矯正も必要で、(歌舞伎の立廻りとは)足の位置など細かいところまで違いがあります」と、隼人が稽古の様子を交えて語りました。

 

 巳之助は、そういう立師のつけた手に対し、「(演出のG2が)物語としてこういうふうに見えたい、このキャラクターだからこんな攻撃をしたいと、お芝居、キャラクター、役柄を考えてアクションシーンをご覧になっていた。それがすごく心強かったですね」と明かし、全員一丸となって舞台づくりをしている様子がうかがえました。

 

歌舞伎のテイストで漫画とはまた違った魅力が

 歌舞伎として上演するに当たり、隼人は「歌舞伎にもともとあるもの、帯だったり縄だったり、また、マダラの頭も『連獅子』などの獅子で使われるヤクの毛に、お兄さんたちが工夫を重ねていたりするので、漫画とはまた違った魅力が出ているのでは」と語りました。その一方で、和楽器バンドの楽曲提供は「歌舞伎の和のテイストにロックが混ざっているのが新しい。書き下ろし曲がエンディングにすごくはまるんじゃないかと、通し稽古をしてみて期待値が上がりました」。

 

 そして、さらに期待がふくらんだのが、猿之助と愛之助の二人のうちはマダラ。「二人の個性というか、別人が演じるので色が違うこともありますが、お二人それぞれのこだわりポイントが異なっていて、立廻りの手や演出など、こまごまと違うところがたくさんあるので、どちらもご覧いただきたい」と巳之助が言葉を弾ませると、隼人も「同じせりふを言っているのに、がらっと雰囲気が変わるので、ぜひ、2回以上見に来てください」と、ご来場を呼びかけました。

 「毎日暑いですが、舞台は水が流れて涼しいシーンもありますから、ぜひ劇場へお運びください」と、最後に隼人が笑顔で締めくくった新橋演舞場「新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』」。公演は8月4日(土)から27日(月)まで、チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹で販売中です。

2018/08/04