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新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』初演、開幕

 8月4日(土)、新橋演舞場の新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』が開幕しました。

 「木ノ葉舞う 里に火は燃ゆ火の影に 九つの尾の妖狐あり」。竹本の語りが、一気に物語世界へ引き込む歌舞伎ならではの手法で幕が上がった『NARUTO -ナルト-』。うずまきナルトの巳之助、うちはサスケの隼人、待ちわびた二人の登場にひときわ大きな拍手が起こりました。

 ナルトとサスケの二人は、国を守る忍(しのび)の里、木ノ葉隠れの里で忍者学校を卒業し、同期の春野サクラ(梅丸)とともに第七班として忍の任務に就いています。三人は上忍のはたけカカシ(嘉島典俊)のもと、里を守るため、仲間を守るために戦います。戦いの立廻りでは、ナルトの影分身や螺旋丸、サスケの写輪眼や千鳥といった術や技能も表現され、歌舞伎の舞台で見られる型や動きもあれば、リアルでテンポの速いアクションシーンもあり、見た目の変化でも楽しませてくれます。

 

 ナルトを見込んで弟子にする自来也(猿弥)、サクラに術を伝授する綱手(笑也)、サスケの心にある憎しみを利用する大蛇丸(笑三郎)の「伝説の三忍」も序幕から登場します。そして、ナルトに封印されているまがまがしい九尾のおどろおどろしい声が、得体のしれない恐ろしさを醸し出します。声の出演にも注目です。

 

 ナルトもサスケも大きなものを背負って生まれてきました。サスケは一族を滅ぼした兄のイタチ(市瀬秀和)への復讐に燃え、ナルトは自分に封印された九尾の謎を知ります。そこに登場するのが、大きな野望を抱いたうちはマダラ(猿之助、愛之助)。二人で挑む大敵、マダラとの戦いは緊迫の度合いも頂点に。立廻りに張りつめた緊張感が、自然と二人の成長を感じさせます。

 

 終末の谷の戦いを歌舞伎では、本水を使った大滝での壮絶な立廻りで見せます。初日は、最後に流れる和楽器バンドの書き下ろし曲「光の中で」に合わせてアンコールの拍手が続き、客席総立ちの中でのカーテンコールとなりました。 

 見得やツケなどで演出された原作漫画の決めぜりふが全編にちりばめられ、漫画を読んでいる、いないにかかわらず、深く心に残ります。また、舞台稽古の愛之助と初日の猿之助は、同じマダラでも衣裳や演出に違いがありました。ぜひ、両方ご覧になって楽しんでください。新橋演舞場「新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』」は、8月27日(月)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹で販売中です。

 

 

新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』特設サイト

(C)岸本斉史 スコット/集英社 ・『NARUTO -ナルト-』歌舞伎パートナーズ

2018/08/04