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巳之助、隼人が語る南座『NARUTO -ナルト-』

巳之助、隼人が語る南座『NARUTO -ナルト-』
 

 

 6月2日(日)から始まる南座新開場記念 新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』に出演の坂東巳之助、中村隼人が、脚本・演出のG2とともに公演について語りました。

進化する南座での公演

 昨年8月に新橋演舞場で上演された新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』が、6月に南座で上演されます。関西育ちで南座に憧れを抱いていたというG2は、原作にあるものを歌舞伎ならではの演出で、できるだけとり込み、凝縮させたという前回の公演を踏まえ、今回は「前回やったことを、ひたすらブラッシュアップしていくことに尽きるかと思います。評判だった場面はとにかく頑張って、よりよくしていきたい。グレードアップバージョン、シェイプアップバージョンというような形」と、構想を明かしました。

 

巳之助、隼人が語る南座『NARUTO -ナルト-』

 巳之助は、『NARUTO -ナルト-』を非常に立廻りが多い舞台と振り返ったうえで、「南座でご覧いただくのに、一番いい形の立廻り。つまり、演舞場でやっていたものを流用する形ではなく南座のための新しい立廻りを、G2さん、立師の方と皆で力を合わせてつくっていきたい」と意気込みました。

 

 隼人は「サスケは、幼い頃に両親や一族が殺されて、兄に復讐するためだけに生きてきた。それが友情によって変わる心理描写を、さらに演出的に工夫すれば、よりお客様に楽しんでいただけるのではないかと思っているので、このあたりも重点的に変えていきたい」と、述べました。

 

 新開場した南座で披露される、新しい演出による『NARUTO -ナルト-』。どのような進化が舞台で見られるのか、期待がふくらみます。

 

梅玉が勤める大敵

 南座では、ナルトとサスケの最大の敵であるうちはマダラを、中村梅玉が勤めます。ビジュアルも公開されて、その圧倒的な存在感も話題です。長年、精力的に、古典歌舞伎にとり組んできた梅玉が出演することで、どのような変化が舞台に起こるか注目です。

 

 巳之助は、「ご快諾いただいたとうかがっております。これがご了承いただいたではなく、ご快諾いただいたというところが非常に大きなところ」と、新橋演舞場の公演を見たうえで出演を快諾した梅玉への感謝と喜びをあふれさせました。「いち観客として梅玉のおじ様のこういったお芝居をあまり拝見したことがないので、純粋に楽しみ。どういうふうにおやりになるのか、想像ができないので」と目を輝かせました。

 

巳之助、隼人が語る南座『NARUTO -ナルト-』

 「前回は猿之助兄さん、愛之助兄さんに出ていただきました。二人は新作に慣れていらっしゃって、いろいろなアドバイスをしていただいた」と、昨年の思い出を述べた隼人。近年、古典の役を数多く梅玉に学んだということで「喜びもある反面、やはり怖さもありますね」と、大先輩との共演に緊張した様子ものぞかせつつ、「梅玉のおじ様が出るとなると、別の形の大きさを出してくださると思っているので、すごく楽しみ」と心境を語りました。

 

歌舞伎の舞台で表現したい

 G2は、歌舞伎にするにはどのようにしたらよいか、巳之助、隼人と相談しながら「黒御簾音楽、下座音楽とロックが同時にかかる場面や、普通なら洋装であるところを和装にするなど、西洋と日本のもの、いろんなものがないまぜになって、こんなにないまぜになっていいのかなと思いながらつくった」と言います。「2回目をやるときに、よく考えたら歌舞伎というのは、ないまぜということが昔からあるわけで、歌舞伎の精神に外れなければ、きっといいものになっていくのではないか」と、信念を伝えました。

 

 巳之助は「ナルトという少年の芯のぶれなさ」を表現したいとしたうえで、「原作で長年かけて描かれてきた、さまざまな出来事のなかでも、芯の部分がずっとぶれないナルトをお好きな方は、たくさんいらっしゃると思います。そういった人たちを勇気づけ、引っ張ってきた主人公の強さが舞台の上にも表れればと、演舞場の頃から思って勤めさせていただいています」と、熱く語りました。

 

 役づくりのために化粧にも青色をとり入れるなど、工夫してきた隼人。原作者である岸本斉史氏が舞台を観に来た際に、「サスケの闇というものを上手く表現できていてうれしかったと言っていただいたので、そこは自信をもってこれからも勤めていきたい」と、決意を新たにしました。

 

 岸本氏からは、「新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』。NARUTO原作者としていろいろなNARUTO作品を観てきたなかでもダントツで楽しかった!目の前での臨場感に、NARUTOに通ずる世界観はこれでしか味わえなかった!皆さんも京都公演でぜひ味わってください!」とメッセージも寄せられました。世界に通ずる『NARUTO -ナルト-』を、ぜひ京都、南座でお楽しみください。

 南座新開場記念 新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』は、6月2日(日)から26日(水)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

 

巳之助、隼人が語る南座『NARUTO -ナルト-』

 左より、G2、中村隼人、坂東巳之助、安孫子正松竹株式会社副社長

2019/04/24