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新橋演舞場「初春歌舞伎公演」初日の賑わい

 1月3日(金)、新橋演舞場「初春歌舞伎公演」が初日の幕を開けました。

 2020年、新橋演舞場のお正月は、豪華絢爛な『金閣寺』で始まります。天下をもくろむ国崩しの役柄、松永大膳を獅童が、颯爽とした二枚目の此下東吉を右團次が演じます。また、歌舞伎の三姫の一つ、囚われの身の雪姫を孝太郎が初役で演じます。井戸から碁笥をとり上げる場面や、縄で縛られた雪姫の、舞い散る桜の花びらをかき集めての「爪先鼠」など、みどころがたくさん。時代物の義太夫狂言の醍醐味を存分に表現し、華やかな幕開けです。

 

 続く『御存鈴ヶ森』では、幡随院長兵衛を海老蔵が、白井権八を莟玉が、それぞれ初役で勤めます。権八は大勢の雲助を相手に、華麗な立廻りを見せます。一方、顔や手足を斬られた雲助たちが見せる、歌舞伎らしいユーモアあふれる演出に、客席からは笑い声があがりました。この様子を駕籠の中からうかがっていた長兵衛の、「お若えのお待ちなせえやし」のせりふをきっかけに、二人の名のりやせりふのかけ合いとなり、再会を誓って幕となりました。

 

 昼の部最後は、秋元康が作・演出を勤める、忍者を題材にした、新作歌舞伎NINJA KABUKI『雪蛍恋乃滝』です。海老蔵演じる忍者稲妻と、児太郎演じる敵国の姫、月姫の悲恋を描いた物語。幕開きには、堀越勸玄演じる幼少の稲妻が登場し、大勢を相手に立廻りを見せ、妖術を繰り出し劇場を一気に忍者の世界へ引き込みます。続いて現れる稲妻の、大雪の中の息もつかせぬ大立廻りを、客席も固唾をのんで見守りました。本作品には、ブロードウェイで活躍する装置デザイナーの幹子S.マックアダムス、照明デザイナーのドナルド・ホルダーが参加しており、ダイナミックな美術、照明もみどころのひとつ。最後にたどり着いた恋乃滝で、稲妻と月姫が選ぶ結末とは…。雪景色の中、幻想的に舞う蛍は、この作品の眼目です。

 

 夜の部最初の演目、粋な江戸の雰囲気を感じられる人気の世話物狂言『め組の喧嘩』では、2年連続となる海老蔵と勸玄の親子共演が話題を呼んでいます。鳶頭である海老蔵のめ組辰五郎は、め組の鳶と喧嘩を起こした力士、右團次の四ツ車大八に遺恨を晴らすため、仕返しを心に決めます。辰五郎が妻と倅に別れを告げる場面では、又八を演じる勸玄が、親子の別れの場面を見事に演じ、場内が芝居に引き込まれました。大詰では、火事場装束の鳶たちと力士が大勢そろい、屋根やはしごにのぼって迫力ある大立廻りを見せます。梅玉の喜三郎が体を張っての仲裁に入り、大乱闘を納めて幕となりました。

 

 お正月を彩る「初春歌舞伎公演」の切、『仲国』は、新歌舞伎十八番の同名の演目をもとに舞踊劇として新たに構成されました。仲国を海老蔵が、胡蝶の精を、昨年8月に襲名披露した市川ぼたんが勤め、3年連続の父娘共演が実現。天皇の寵愛を受ける小督局(こごうのつぼね)を児太郎が、仲国の弟仲章を莟玉が勤めます。ぼたんの華やかで可憐な踊りに、客席からは大きな拍手が送られました。海老蔵が荘厳で力強い踊りを見せ、最後は五穀豊穣、天下泰平を祈る総踊りとなり、豪華でお正月らしい打ち出しとなりました。

 新橋演舞場「初春歌舞伎公演」は24日(金)に千穐楽を迎えますが、25日(土)に追加公演も決定しています。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2020/01/09