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白鸚が読売演劇大賞芸術栄誉賞、芝のぶが選考委員特別賞を受賞

白鸚が読売演劇大賞芸術栄誉賞、芝のぶが選考委員特別賞を受賞

 「第31回読売演劇大賞」受賞者 左より、池谷のぶえ(最優秀女優賞)、山西惇(最優秀男優賞)、前川知大(最優秀作品賞『人魂を届けに』イキウメ)、藤田俊太郎(最優秀演出家賞)、松本白鸚(芸術栄誉賞)、清原果耶(杉村春子賞)、松井るみ(最優秀スタッフ賞)、中村芝のぶ(選考委員特別賞)

 

 2024年2月27日(火)、東京で「第31回読売演劇大賞贈賞式」が行われ、「芸術栄誉賞」を受賞した松本白鸚と、「選考委員特別賞」を受賞した中村芝のぶが出席しました。

 前年1年間に国内で上演された演劇を対象に、その成果を顕彰する「読売演劇大賞」。作品賞など5部門の「最優秀賞」と、一つの「大賞」のほか、「杉村春子賞」、「選考委員特別賞」、長年の功績や優れた企画を顕彰する「芸術栄誉賞」が選出されます。

 

白鸚が読売演劇大賞芸術栄誉賞、芝のぶが選考委員特別賞を受賞

 

 ミュージカル『ラ・マンチャの男』に半世紀以上主演したことや、歌舞伎の『勧進帳』、現代演劇『アマデウス』など、多くの舞台で長年演劇界に貢献したことを顕彰し、白鸚に「芸術栄誉賞」が贈られました。白鸚は、平成7(1995)年にも最優秀男優賞を受賞しています。

 

 「歌舞伎とミュージカル、現代演劇を高い次元で両立した、日本演劇史に特筆される一人」、と紹介され、満場の拍手のなか、ステージに登場した白鸚。「『ラ・マンチャの男』の初演が26歳でございました。いつの間にか50年以上経ってしまいました。ここにいらっしゃる方々のお一人おひとりにお礼を言いたいと思います」と、会場に眼差しを向けながら、思いを込めて挨拶しました。さらに『ラ・マンチャの男』初演翌年のブロードウェイ公演のことに触れ、家族に感謝を伝えながら、「青春のひと幕でございました。いい思い出をつくってくださいました。ありがとうございます」と、感慨深く振り返りました。

白鸚が読売演劇大賞芸術栄誉賞、芝のぶが選考委員特別賞を受賞

 

 芝のぶは、歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」の『マハーバーラタ戦記』の鶴妖朶王女/ラクシュミー役、新作歌舞伎『ファイナルファンタジーⅩ』のユウナレスカ役について、「選考委員特別賞」を受賞。「大抜擢に応えて、二つの新作歌舞伎で目覚ましく活躍された」と評価されました。

 

 芝のぶは姿勢よく壇上に立ち、「このような晴れがましい賞を頂戴し、夢のようでございます」と、切り出します。尾上菊之助の抜擢により、「私が自力では気づくことができなかった一面を見出して引き出してくださった」と、神妙に頭を下げ、最後まで大役を勤めることができたのは、「製作に携わったすべての方、多くのお客様や親族、お友達の温かいご声援のおかげ」と続けます。また、七世中村芝翫をはじめとする成駒屋一門や、周囲の人への謝辞を丁寧に伝え、「日本の伝統の存続に少しでもお役に立てる役者となれますよう、これからも精進していく覚悟です」と、真っ直ぐな眼差しで述べました。

2024/03/01