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歌舞伎座「十二月大歌舞伎」初日開幕
12月1日(火)、歌舞伎座「十二月大歌舞伎」が初日の幕を開けました。
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2020年の最後を飾る「十二月大歌舞伎」。歌舞伎座では今月も引き続き、新型コロナウイルス感染拡大予防のため、幕間なし四部制形式での公演を行っています。また座席の配置や換気、消毒など、感染予防対策を徹底してお客様をお迎えします。
「十二月大歌舞伎」第一部は、華やかな四変化の舞踊『弥生の花浅草祭』で幕を開けます。三社祭で賑わう浅草を舞台に、山車の屋台に飾られた人形に魂が宿って踊りだすという趣向の舞台。愛之助が武内宿禰、悪玉、国侍、獅子の精、松也が神功皇后、善玉、通人、獅子の精をそれぞれ演じ分け、常磐津、清元、長唄と、音楽も異なる4つの踊りを披露します。勇壮な獅子の精が豪快な毛振りを見せ幕となると、熱い拍手が沸き起こりました。
続く第二部は、古典落語「星野屋」を題材とした『心中月夜星野屋』。七之助演じる元芸者のおたかは、ある日、話のはずみで中車演じる照蔵と心中の約束をしますが、本心では死ぬ気などさらさらありません。猿弥演じる母お熊の入れ知恵もあり、照蔵だけが隅田川に飛び込んで…。したたかな母娘のやり取りや、片岡亀蔵演じる和泉屋藤助を加えて繰り広げられるおかしみあふれる男女の駆け引きに、客席が大きな笑いに包まれました。
第三部は、義太夫狂言の名作『傾城反魂香』です。平成20(2008)年「新春浅草歌舞伎」以来となる、浮世又平に勘九郎、女房おとくに猿之助の顔合わせで、夫婦のあたたかな情愛をお目にかけます。絵師で生来言葉の不自由な又平は、おとくの支えを受けながら、師匠に名字をもつ許しを願い出ますが、聞き入れてもらえません。失意の又平が命をかけて一心不乱に手水鉢に自画像を描く場面は、みどころです。夫婦の絆が起こした奇跡に心温まる舞台をお楽しみください。
締めくくりの第四部は、『日本振袖始』。近松門左衛門による、日本神話を題材とした舞踊劇です。初日は玉三郎休演による代役上演(7日まで)のため、岩長姫実は八岐大蛇に菊之助、稲田姫に梅枝、素盞嗚尊に彦三郎の配役。妖艶な魅力あふれる岩長姫が、素盞嗚尊の用意した毒酒を飲み本性を垣間見せていく様子や、大蛇の分身も加わっての迫力ある立廻りなど、みどころの連続に、場内も引き込まれました。
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歌舞伎座地下2階の木挽町広場では、「
歌舞伎座「十二月大歌舞伎」は、26日(土)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。