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歌舞伎『刀剣乱舞』の開幕を前に

2025年7月5日(土)に新橋演舞場で開幕した歌舞伎『刀剣乱舞 東鑑雪魔縁(あずまかがみゆきのみだれ)』の初日舞台前に、出演の尾上松也、中村獅童、中村歌昇、中村鷹之資、中村莟玉、尾上左近、上村吉太朗、河合雪之丞が意気込みを語りました。
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初日前の舞台稽古を終え、刀剣男士の扮装で登場した八人。前作に続き、演出も勤めた松也は、「今回はよりエンタテインメント性を強く、お芝居も盛り上げつつ歌舞伎舞踊もお届けし、歌舞伎の幅広さをお客様に見ていただきたい、という思いでつくりました。ここでしか見られない歌舞伎の要素が詰まっています」と、作品に込めたこだわりを明かします。また、「羅刹微塵というオリジナルの悪役が、お客様にどう受け取られるか、楽しみです。いろいろな想像ができるような人物にしたいですね」と、自身が三日月宗近と2役で勤める新キャラクターについても期待を込めました。
前回、審神者の声で登場した獅童は、今回の舞台では鬼丸国綱を演じます。「このお芝居には、歌舞伎の面白さが凝縮されています」と太鼓判を押し、「立廻りやせりふについて、歌舞伎ならではの表現をする部分とリアルさを出す部分を考えながら演じている」と、自らの工夫についても言及。そして「皆一丸となって頑張ってきました。舞台をもっと良くしようという気持ちが全員にあるので、初日が開いてからも芝居が変わっていくと思います。幅広い世代の方たちに来ていただいて、笑顔でお帰りいただけたらうれしいです」と、微笑みました。
「念願だった刀剣乱舞に出演できてうれしい」と話す歌昇は、陸奥守吉行について「土佐弁でいかに歌舞伎のせりふを話すかに苦労しました。太陽のような明るい存在で、大好きなキャラクターです。もう一つのお役の源実朝は作品のキーパーソンですので、松也さん、獅童さんや先輩方のお話を伺って、よりよい実朝を演じられるようにしていきたいですね」と抱負を語ります。
鷹之資は、同田貫正国と公暁を勤めます。「前回とは違った歌舞伎のいろいろな表現の方法や演じ方でこの物語をお見せできたら。舞踊では熊本の民謡にチャレンジしています。思い切って挑んでいますので、楽しんでいただければ」と意気込みます。髭切役の莟玉は、「千穐楽まで皆で駆け抜けたいと思います。今回は鎌倉時代ということで髭切と膝丸にフォーカスされています。この兄弟の会話をお客様にお見せできる場面が多くてうれしいです」と、笑顔を見せました。
加州清光と実朝御台倩子姫を勤める左近は、初出演を喜ぶとともに、「清光らしさが、歌舞伎に融合しているところや、“幕末の刀”のペアとして登場している陸奥守吉行と加州清光の関係、そして実朝と倩子姫の関係性に注目していただきたいです」と、みどころを伝えます。「立役として感情を出すお役はこの膝丸が初めてですし、今回は階段落ちも初めて経験します。キーパーソンである膝丸の存在感を出せるように頑張りたいです」と気合を込めたのは吉太朗です。続けて雪之丞が、「このなかで一番年上ですが皆さんについていけるように一所懸命頑張ってまいります。政子と小烏丸の違いを楽しんでいただけたら」と、呼びかけました。
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