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愛之助が語る、「十二月大歌舞伎」「壽 初春大歌舞伎」

愛之助が語る「十二月大歌舞伎」「壽 初春大歌舞伎」

 

 12月1日(火)に初日を迎えた歌舞伎座「十二月大歌舞伎」、2021年1月2日(土)から始まる「壽 初春大歌舞伎」に出演する片岡愛之助が、公演への思いを語りました。

阿吽の呼吸でみせる『弥生の花浅草祭』

 「十二月大歌舞伎」第一部では舞踊劇『弥生の花浅草祭』が上演され、愛之助は尾上松也と二人で、早替りによる4つの場面の踊り分けを披露しています。「コロナ禍で上演できる演目が限定されているなかでも、この四段返しの舞台ができて、それも、元気いっぱいの松也くんと勤められて非常にうれしいなと思います」と、まずは率直な舞台への思いを口にします。

 

 二人の俳優の息の合った踊りがみどころの一つである本作。「三社祭」ではそれぞれ善玉、悪玉のお面を着けお互いの姿が見えにくいなかでも、松也と「阿吽の呼吸で」客席を沸かせます。「毎日同じようでも、二人の息は毎回微妙に違います。一人で踊っているときと違い、やはり互いを感じながら踊らないと。そのキャッチボールがまた、二人で一緒に踊る楽しさです」と述べ、「最近は、踊りながら松也くんの笑顔が見られてうれしい」と続ける様子からは、日々の公演の充実感がうかがえます。

 

 また、『弥生の花浅草祭』を、「短距離走のペース配分のままずっと走り続けるような踊り」と表現する愛之助。「常に全開、という感じですが、そのなかでも抜くところと出すところと、いろいろ緩急をつけなければ面白くない。(体力的には)きついですが、やはりお客様に喜んでいただけるなら」と気合を見せます。最後の「石橋」での毛振りについては、「コロナを吹き飛ばす勢いで振っていますね」と笑顔で語りました。

 

『らくだ』で新境地を

 1月の歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」では第三部『らくだ』に出演。中村芝翫演じる粗暴でやくざ者の手斧目半次と軽妙な掛け合いを見せる、正直者の紙屑買久六を初役で勤めます。「落語を題材とした世話物で、はじめて歌舞伎をご覧になる方でも非常にわかりやすい作品だと思います。このご時世ですが、マスクの中で笑っていただければ」と、作品の魅力をアピールします。

 

 愛之助はこれまで、上方の『らくだ』に半次(上方では熊五郎)として数回出演していますが、「(江戸と上方では)登場人物も違います。今回、基本は江戸の台本でやらせていただき、私は上方から流れてきた屑屋として、大坂弁で勤めさせていただきます。江戸と上方の言葉が交じり合う、すごく珍しいものになるんじゃないでしょうか」と話します。芝翫と愛之助が繰り広げる笑いあふれるやりとりに、今から期待がふくらみます。

 

 今回の役柄については、「普段はどちらかというと半次のような強い役が多いので、久六は僕のなかでも珍しい役どころ。非常にわくわくしています」と述べ、また「芝翫兄さんには小さい頃からずっとかわいがっていただいていて、そんな大先輩と一緒に歌舞伎座でお芝居ができることが非常にありがたいです。お兄さんの半次に引っ張っていただき、胸を借りながら勤めさせていただこうかなと思っております」と、意欲をにじませました。

 

愛之助が語る「十二月大歌舞伎」「壽 初春大歌舞伎」

 

舞台に感謝と祈りを込めて

 今年1年を振り返り、「普段、当たり前のように舞台に立たせていただいていることが、どれだけ幸せか身に沁みました」と感慨を込めます。それだけに「毎日舞台に立たせていただけることに感謝し、どうぞ今日一日何事もなく、と祈りながら舞台に出ています。そして終わって感謝を」と、公演中の心の内を明かしました。

 

 また、客席のマスク着用や大向うの禁止など、制約の多いなかでも、お客様の表情や反応は「すごくわかります」ときっぱり。「コロナ禍になってから、拍手に強弱があることに気がつきました。いいぞいいぞ、というところと、さらに一つ盛り上がるところをすごく感じたり」と述べ、「8月の公演から再スタートして、お客様にもさまざまな紆余曲折があったと思うのですが、今月もたくさんのお客様が来てくださって、本当にうれしく思っています」と、深い感謝を口にしました。

 

 来年の抱負として、「どんなきっかけでもいいので、僕を知ってくださった方が歌舞伎を観に来てくださればありがたい」と語る愛之助。「(初めて歌舞伎をご覧になった)多くの方が、こんなにわかりやすく楽しかったのか、どうして今まで観なかったのか、と仰るんですね。さまざまな種類の歌舞伎があることを知って、自分にあった歌舞伎を見つけていただきたいです」と、新たな客層を広げていくことへの前向きな思いを述べました。

 歌舞伎座「十二月大歌舞伎」は今月26日(土)まで、歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」は、1月2日(土)から27日(水)までの公演。チケットはどちらも、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2020/12/14