ニュース
海老蔵が語る、新橋演舞場「初春海老蔵歌舞伎」
2021年1月3日(日)から始まる新橋演舞場「初春海老蔵歌舞伎」に出演の市川海老蔵が、公演への思いを語りました。
▼
古典を追求する「海老蔵歌舞伎」
2021年の新橋演舞場お正月公演は、「初春海老蔵歌舞伎」と銘打ち、『春調娘七種』、歌舞伎十八番の内『毛抜』、「お年玉」と称して『藤娘』と『橋弁慶』が上演されます。8年連続で、新橋演舞場の新年の幕開けを飾る海老蔵は、「コロナ禍ではございますが、最大限の感染症対策を講じ、お客様と一緒にお芝居を共有したいと思います」と、意気込みます。
「初春海老蔵歌舞伎」のコンセプトを聞かれると、「昨今、コロナウイルス感染症の影響もあり、新作が上演できませんので、古典芸能を中心とした演目を海老蔵歌舞伎でやっていく。海老蔵歌舞伎と聞くと、奇をてらったことをするのではないのか、何か新しいことをするのではないかと思われる方もいらっしゃると思いますが、やはり古典を追究し、若い世代の方々や次の世代の娘、倅が日本の伝統文化を支えられるよう、修行、教育をしながら見守りたい」と、歌舞伎の未来をしっかり見据えます。
出演する歌舞伎十八番の内『毛抜』に関して、「今は(コロナウイルスの影響で、)苦難の日々。これまで通りの生活ができないなかでも、お客様を元気づけられる演目はないか、お正月らしいものを観たと思っていただける演目はないか」と、検討を重ね、成田屋のお家芸のなかから選んだとのこと。「粂寺弾正の勇猛かつ、頭脳明晰でありながら、男の余裕、そして色気があるところ。そして5つの型の見得。これらをご覧いただきたい」と、思いを語りました。
ぼたん、勸玄とともにお届けする「お年玉」
今年も海老蔵の長女市川ぼたんと長男堀越勸玄がそろって出演し、「お年玉」と称して2題の舞踊をお届けします。今回、ぼたん、勸玄も取材会に登壇し、『藤娘』で初めて一人で新橋演舞場の舞台に立つぼたんは、「1月は、藤の精を勤めさせていただきます。久しぶりの舞台なので、少しドキドキしているけれど、頑張っていきたいと思います」と、しっかり挨拶をしました。海老蔵は、「女方の舞踊のなかでも、高度な技術や体力など、さまざまなものが必要な伝統的な舞踊。彼女の日本舞踊家として精進したいという気持ちから」出演演目として選んだと話します。「ずいぶんしっかりと稽古しておりますし、彼女の根本にもつ人間の力、そういうものを信じたいと思います」。
また、『橋弁慶』に出演する勸玄は、「1月は『橋弁慶』の牛若丸を勤めさせていただきます。(舞台に出演するのは)12カ月ぶりなので、スペシャル頑張ります!」と元気いっぱい。勸玄との親子共演となる『橋弁慶』は、「今やるのに最も良い作品だと思った」と海老蔵。「今回、牛若丸と武蔵坊弁慶が主従三世の契りを結ぶ場面を舞踊でご覧いただき、いつか『勧進帳』で私が弁慶を勤め、倅が義経を勤めるときの伏線として、これを観ていただきたい。この『橋弁慶』での関係があるからこそ、『勧進帳』の義経と武蔵坊弁慶の主従の関係性につながる。それをお客様に同時に体感していただける、ということがひとつ決め手になりました」と、心の内を明かしました。
全20回の公演のうち、昼夜2回公演の日もある「初春海老蔵歌舞伎」。「何事も起こらず、滞りなく初日を迎え、そして千穐楽を迎えられることを心から祈るばかりでございます。体力的なことや感染症対策に注意し、子どもたちの様子を見ながらしっかりとフォローが出来たらと思っておりますが、逆にフォローされるようなことがあるのではないかと思っています(笑)」と、笑顔で締めくくりました。
▼
新橋演舞場「初春海老蔵歌舞伎」は、2021年1月3日(日)から17日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で発売中です。