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「初代中村吉右衛門展」のお知らせ~早稲田大学演劇博物館

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 7月2日(土)から、早稲田大学演劇博物館で「初代中村吉右衛門展」が開催されます。

 初代中村吉右衛門(明治19年~昭和29年)は、近代歌舞伎に大きな足跡を残した名優です。大正期に、六代目尾上菊五郎とともに、いわゆる「市村座時代」を招来した初代吉右衛門は、大正から昭和にかけて、歌舞伎という演劇を新鮮によみがえらせ、多くの観客を魅了しました。戦後は歌舞伎界の重鎮として活躍し、とりわけ六代目菊五郎没後は歌舞伎界の頂点に君臨して、文化勲章をはじめとする栄誉に輝きました。

 最も得意としたのは時代物を中心とする演目で、いずれの役にも播磨屋独特の名調子をうたわれ、その型や芸が伝えられています。また、六代目歌右衛門や十七代目勘三郎、八代目幸四郎らを擁した中村吉右衛門劇団は、戦後歌舞伎の分布図を二分する存在となって、現在の歌舞伎界にも大きな影響を与えています。養子にあたる当代中村吉右衛門が、初代の俳名「秀山」に因んだ「秀山祭」をもよおして、その芸の顕彰につとめていることも、現代における古典歌舞伎継承の大きな柱になっています。

 今回、早稲田大学演劇博物館のコレクションを中心に、当代中村吉右衛門家のご協力を仰ぎ、初代吉右衛門のあゆみと芸が幅広く紹介されます。現代に至る古典歌舞伎の魅力を伝える機会、ぜひお楽しみ下さい。

【期間】
2011年7月2日(土)~8月7日(日)

【開館時間】
10:00~17:00
(火・金は19時まで)

【入館料】
無料

【休館日】
会期中無休
ただし、8月3日から7日までは展示室のみ開室

【会場】
早稲田大学演劇博物館2階 企画展示室I

【主催】
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館

【協力】
松竹株式会社

◆関連演劇講座1◆
初代吉右衛門映画祭I 上映会「熊谷陣屋」(昭和25年)

日時:2011年7月13日(水)14:00~16:30(開場30分前)
会場:早稲田大学小野記念講堂(27号館小野梓記念館地下2階:定員200名)
講師:児玉竜一(早稲田大学教授)
※入場無料・事前予約不要
(会場定員に達した場合、ご入場頂けない場合がございます。あらかじめご了承下さい)

展示品の解説を通して、初代吉右衛門の芸とあゆみを解説するとともに、初代吉右衛門が残した記録映画「熊谷陣屋」を鑑賞します。当代吉右衛門の当たり役でもあり、多くの俳優が手がける人気演目でもありますので、映画としてのみどころも紹介します。

◆関連演劇講座2◆
初代吉右衛門映画祭II-初代吉右衛門と秀山祭 上映会「盛綱陣屋」(昭和28年)

日時:2011年8月2日(火)14:00~17:00(開場30分前)
会場:早稲田大学大隈記念大講堂
講師:中村吉右衛門(歌舞伎俳優・芸術院会員)
聞き手:児玉竜一(早稲田大学教授)
※入場無料・事前予約不要
(会場定員に達した場合、ご入場頂けない場合がございます。あらかじめご了承下さい)

初代吉右衛門の養子であり、その芸を継ぐ二代目中村吉右衛門を迎え、初代の記録映画「盛綱陣屋」を鑑賞すると共に、初代の思い出、播磨屋の芸、その芸を継承する場である秀山祭への思いなどを、お話しいただきます。

詳細は早稲田大学坪内博士記念 演劇博物館ホームページをご覧ください。

2011/06/25