9月3日（金）から始まる南座「九月南座超歌舞伎」に出演の中村獅童が、公演について語りました。

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　平成28（2016）年に誕生した「超歌舞伎」が、南座で初めて上演されたのが、令和元（2019）年の「八月南座超歌舞伎」。劇場で上演される「超歌舞伎」という、かつてない観劇体験が話題を呼びました。昨年はコロナ禍により公演を中止しましたが、この9月に再び、NTTと松竹が設立した「NTT・松竹パートナーズ」が主催する「ICT（情報通信技術）を用いた新たな歌舞伎興行」として、南座での公演が実現することとなりました。

 

2年ぶり、待望の南座公演

　今年も、2年前の「八月南座超歌舞伎」に引き続き、本公演とリミテッドバージョンの2種類をご用意。いずれの公演も、映像でお届けする『超歌舞伎の魅力』から始まり、続いて本公演では南座公演のためにつくられた舞踊『都染戯場彩（みやこぞめかぶきのいろどり）』、今年4月に「ニコニコネット超会議2021」で初演された『御伽草紙戀姿絵（おとぎぞうしこいのすがたえ）』を上演、リミテッドバージョンでは別配役による『御伽草紙戀姿絵』を上演します。さらに公演のオンライン配信も決定し、より多くのお客様にお楽しみいただけるスタイルとなりました。

 

　今回ふたたび南座で公演することについて、改めて「歌舞伎が上演される、伝統ある劇場で超歌舞伎を上演できることに喜びを感じます」と語った獅童。前回の南座公演に触れ、「歌舞伎通の方からお子様まで、楽しんでいただけた手ごたえがありました。古典にこだわって超歌舞伎をつくっていて、衣裳にしても隈取にしても、デジタルの世界に負けないものがあるということを伝えたい」とし、そういう意味でも「南座での公演は自分にとって大きなこと」と感慨深げです。

 

　物語の舞台がまさにご当地、京都である『御伽草紙戀姿絵』。この作品で演出として使用されるのは、NTTの超高臨場感通信技術「Kirari!」の新たな要素技術である「スタイル変換技術」を用いた「超越の術」です。こうした技術との連携について、獅童はこれまでの5年間に思いを馳せながら、「映像となかなかかみ合わなかったりと苦労はありましたが、超歌舞伎のファンの方に支えられてここまできました」と、振り返りました。

 

気兼ねなく参加してほしい

　今回初めて上演される『都染戯場彩』は、雪月花の趣向を凝らした三段返しの超歌舞伎舞踊です。第三景の雪の石橋では、獅童と初音ミクによる勇壮な獅子の精の踊りがみどころです。『御伽草紙戀姿絵』のなかで、「超歌舞伎」6年目にして初の悪役を演じているミクについて、「どんどん演技もうまくなって、毎回多くの刺激をもらっています。初演のときはこちらが合わせている感覚が強かったのですが、回を重ねるごとに僕とミクさんの、役者同士の絆が深まってきました。阿吽の呼吸というか、ミクさんもちょっと僕に合わせてくれるようになってきましたね」と、笑顔を見せる獅童。息の合った二人の演技に期待が高まります。

 

　「超歌舞伎」の1作目から出演してきた澤村國矢は、今年もリミテッドバージョンで、獅童が本公演で演じる源朝臣頼光と袴垂保輔を演じます。國矢に向けて、「魂でぶつかる、そういった瞬間が見てみたい」と、エールをおくる獅童は、「（自分も）感情むき出しで、ひたむきに役にぶつかって、お客様のハートに届くように魂で演じることを心がけています」と、並々ならぬ意気込みを見せます。

 

　4月に幕張メッセで行われた公演と同様に、新型コロナウイルス感染症対策のため、今回もかけ声はご遠慮いただきます。ですが、観客がペンライトで公演に参加できることが「超歌舞伎」の魅力の一つ。このたび初めて、大向うの声を発する仕掛けが施された特製ペンライトが販売され、この特製ペンライトの光と音で参加できることになりました。獅童は、「ペンライトは一つの演出効果にもなっていますから、ぜひ皆さんにペンライトを気兼ねなく振っていただきたいです」と、熱い口調で呼びかけました。

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　現在、脚本の松岡亮が超歌舞伎のあゆみを振り返る連載「超歌舞伎　その軌跡（キセキ）とこれから」が、ニコニコニュースORIGINALで掲載中です。また「歌舞伎オンデマンド」では、獅童が平成27（2015）年に南座で初演した『あらしのよるに』の舞台映像を配信、「九月南座超歌舞伎」とコラボしたTwitter感想投稿キャンペーンも実施しています。いずれもぜひご注目ください。

 

　南座「九月南座超歌舞伎」は9月3日（金）から26日（日）までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。