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新作歌舞伎『プペル~天明の護美人間~』に向けて
2022年1月3日(月)から新橋演舞場で上演される、新作歌舞伎『プペル~天明の護美人間~』に出演の市川海老蔵と、原作・脚本を担当する西野亮廣が、公演に向けての思いを語りました。
歴史を背負っているからこそ
多くの話題を集めた絵本「えんとつ町のプペル」が、このたび、歌舞伎として上演されます。海老蔵は、「映画に秘められたストーリーがとても分かりやすく、子どもたちも感動していました。こういうことしてみたいね、と話しているうちに、これはもしかしたら歌舞伎になるかもしれないなと思い、西野さんに連絡して、すぐ決まりました」と、当時の興奮を振り返ります。「歌舞伎というのは、伝統文化としてすごく貴重で大事なものだと思っていますし、我が家にも守るべきものがある。しかしながら、そこに甘んじていていいのか、という自問自答がコロナ禍で加速しました」と、挑戦への強い思いを語ります。
「海老蔵さんから、歌舞伎にしたいというお話をいただいて、これは大変な仕事になるなと。人生をかけて臨む仕事になるなと思いました。一所懸命頑張ります」と、意気込みを見せるのは、歌舞伎のためにゼロから脚本を作り上げるという西野。歌舞伎について、「いろいろな国で仕事をするなかで、歴史を持つことは強みだと感じますし、それを背負った非常に面白いエンタテインメントだと思います」と、新しい試みに期待があふれます。
絵本から歌舞伎へ
原作者として、歌舞伎にしていく難しさを聞かれると西野は、「舞台をそもそも江戸時代に設定してしまっているので、煙突がないんです。煙突がなかったら、(絵本に出てくる)頭の上の黒いもくもくを、何で表現するのか、というところを一つひとつ分解してつくったりするのも面白い」と、意欲にあふれます。
歌舞伎の舞台で表現することに課題も感じているという海老蔵は、「私が勤めるプペルは、ごみ人間と言っても、人間ではないんですよ。純粋無垢なものであるので、言葉数が非常に少ないんですよね。たとえばミュージカルでしたら、自分の思いを歌にのせて表現できるわけですが、歌舞伎にしたときに、せりふ以外の部分でどのようにカバーしていくのか、ということが今回大きなテーマになっている」と、話しながら二人で笑い合う姿は、互いに生みの苦しみを楽しんでいる様子。
子どもたちとの共演
今回、原作のルビッチ役(本作での役名・はる)を交互出演で勤めることになった、市川ぼたんと堀越勸玄。最近では、姉のぼたんがテレビドラマで活躍する姿に、著しい成長が見えたと、海老蔵は目を細めます。「倅の方は、自分もやるんだという闘志のようなものが、ふつふつとたまっている状況です。今回の公演は、ぼたんとダブルキャストでライバルですから、彼の爆発力にも期待したいなと思っています」と、語りました。新作歌舞伎『プペル~天明の護美人間~』への注目が集まります。
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新橋演舞場 『プペル~天明の護美人間~』は2022年1月3日(月)から20日(木)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で発売中です。