2023年12月5日（火）に新橋演舞場で開幕した新作歌舞伎『流白浪燦星（ルパン三世）』の初日を前に、出演の片岡愛之助、尾上松也が意気込みを語りました。

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　安土桃山時代の世界に、もしルパン一味がいたら、という設定で描かれる本作品。愛之助と松也が、まさにその世界観を体現した衣裳で、堂々と登場しました。

話し合ってつくりあげた舞台

　初日目前の舞台稽古を控え、「手応えはばっちりです」と、切り出した愛之助。「皆で意見を出し合い、紆余曲折を経て、これがいいねという形が、やっと昨日出来上がりました」と、作品づくりの苦労をのぞかせます。さらに今回の演出に本水があることを明かし、「滝に飛び込みます。（自分から）水を使いたいとお願いしたのですが、12月ですので寒くて、言うんじゃなかったなと…。でもそれに勝る熱い舞台が繰り広げられます！」と、笑顔を見せながら話しました。

　松也は、「最初にこの作品の話をうかがって、わくわくしました」と振り返り、「私が感じた石川五ェ門像を守りながら歌舞伎らしさを出すことや、歌舞伎に出てくる石川五右衛門とのリンク性も意識しています」と、役づくりについて語ります。「愛之助のお兄さんが、原作のルパンを維持しながら歌舞伎の世界に飛び込んで見事に融合されていらっしゃる。ルパンに引っ張っていただいて、皆も原作のイメージをいい意味で崩しながらも、（大事なところは）崩さないように意識できていると思います」。

歌舞伎とルパンの世界が一つに

　愛之助は、「普段から歌舞伎をご覧になっている方にも楽しんでいただけるパロディはもちろん、原作の名ぜりふや名場面もたくさんあります。歌舞伎とルパンの世界観がうまく折り混ざって、初めて歌舞伎をご覧になられる方にも楽しんでいただける、非常にわかりやすい古典作品になっています」と、作品の魅力を伝えます。「笑いあり、涙あり、そして大立廻りに本水もあります。千穐楽まで我々一丸となって全力で頑張っていきたい」と、数々のみどころに触れながら、気合を込めました。

　「『流白浪燦星』は歌舞伎の歴史に新たな仲間として加えられる、そして我々も自信を持ってお届けできる作品になっていると思います」と、見ごたえある舞台を約束する松也。「普段の公演でもご一緒していますが、このメンバーで新作歌舞伎をつくるのは初めてです。珍しい座組での新作を見ていただける楽しみもあるのではないでしょうか」と、期待を誘います。二人とも口々に、「劇場でお待ちしています！」と、熱く呼びかけながら、舞台稽古に向かいました。

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　新橋演舞場 新作歌舞伎『流白浪燦星』は25日（月）までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。