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歌舞伎座『風の谷のナウシカ』「上の巻 ―白き魔女の戦記―」の開幕を前に

歌舞伎座『風の谷のナウシカ』「上の巻 ―白き魔女の戦記―」の開幕を前に

 

 2022年7月4日(月)に開幕した歌舞伎座「七月大歌舞伎」の初日を前に、第三部『風の谷のナウシカ』「上の巻 ―白き魔女の戦記―」出演の尾上菊之助、中村米吉が意気込みを語りました。

 初日前日の舞台稽古前に、取材の場へクシャナ、ナウシカの衣裳で現れた二人。新しいクシャナとナウシカの誕生に、さらなる期待がふくらみます。

 

気持ちを一つに挑む、新しい『風の谷のナウシカ』

 初日へ向けての心境を問われた菊之助は、「令和元(2019)年に初演をして、再演をしたいと願っており、それがようやくかなうことになりました」と、感慨深く語り出します。「皆、気持ちを一つにして初日に向かって全力で稽古をしてまいりました。今日の稽古を経て、明日の初日に向けて頑張っていきたいです」と、総仕上げへの気合は十分です。

 

 米吉は、「(稽古期間の)10日間、菊之助のお兄さんに本当にさまざまなことを教えていただきました。それがなによりうれしく、糧になっています」と、感謝を述べながら、「まずは教えていただいたことを体に落としこんで、明日の初日をどうにか迎えられたらと思っています」と、気を引き締めました。

 

作品がもつメッセージを現代に

 今は緊張感が強いと口をそろえて語る二人。「一幕目はナウシカを中心に、二幕目からクシャナの戦記になっていきます。立廻りやスペクタクルな展開もございますし、最後には米吉さんがメーヴェに乗って旅立ちますので、ぜひそれを楽しみにしていただきたい」と笑顔の菊之助に対し、稽古では初めての宙乗りに手が震えたという米吉は、「ご覧いただいた方に楽しい気持ちで帰っていただけるように、ナウシカのアニメを見ながらわくわくドキドキした心を思い出して、自分も楽しんで勤めていきたい」と、決意を込めます。

 

 また、菊之助が「1980年代に宮崎駿監督がつくられた世界観を壊さずに、歌舞伎と融合させ、現代のお客様にお届けしたいという強い思いでいっぱいです。今この『風の谷のナウシカ』を上演させていただくことは非常に意義のあることだと思って、明日の初日を迎えたいです」と語りながら、「役も深まってまいりますし、我々の化粧も微妙に変化していきますので、初日から千穐楽までどんどん深めていきたいと思っています」と、お客様にアピールしました。

 歌舞伎座「七月大歌舞伎」は29日(金)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2022/07/05