2022年9月6日（火）から始まる日生劇場『夏の夜の夢』で、出演の中村芝翫、南果歩、髙地優吾（SixTONES）、生駒里奈、宇梶剛士が、演出の井上尊晶、音楽の松任谷正隆とともに、公演への意気込みを語りました。

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2度目のシェイクスピア作品

　初めてのシェイクスピア作品となった平成30（2018）年新橋演舞場『オセロー』以来、4年ぶりの挑戦となる芝翫は、今回『夏の夜の夢』でオーベロンとテーセウスの2役を勤めます。現在立ち稽古も始まったと話す芝翫は、「『夏の夜の夢』は、歌舞伎と似ていると感じました。歌舞伎のように、歌い上げるところもあって、活発にものを言ったりする。そういうところに変化をつけながら、作品の魅力をふんだんに、皆様にお目にかけられたら」と、気合が入ります。

　『オセロー』でも演出を担当した井上尊晶は、「戯曲はイギリスのものですが、今回、日本を舞台にと考えています。四季のあるイギリスは日本に似たところも多い。日本人のアイデンティティを基本にして、日本人がわかる日本人にしかできない舞台にしたい」と、構想を明かします。また、同じく今回も音楽を担当する松任谷正隆は、「夢は夢じゃなくて、夢を現実に見るという矛盾がある。その矛盾を不協和音を使ってどう表現し、リアリティーを出そうかと考えています。作品のメンタルのサポートができたら」と、その思いを語りました。

喜劇の難しさ

　これまでさまざまな形式で上演された『夏の夜の夢』を観てきたという芝翫。「改めて台本を見ると、ちんぷんかんぷんで、訳がわからなくて…」と、初めは困惑したと言います。「演出の尊晶さんに相談しながら、自分でも見たことのない自分を引き出していきたいと思っています。『オセロー』は悲劇で役者として入りやすいところもあったのですが、喜劇というのは本当に難しい。僕に喜劇の要素があるかどうか。皆さんに頼りながら教わっていこうと思います」と、新たな挑戦の難しさものぞかせました。

　実は、日生劇場に立つのは初めてだという芝翫。初めての劇場に期待をにじませながら、最後に、「大変な時期でございますけど、劇場では最大限の感染対策をいたしておりますので、お客様は安心して劇場に足を運んでいただけたらうれしいです」と話し、締めくくりました。

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　日生劇場『夏の夜の夢』は9月6日（火）～28日（水）までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。