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海老蔵、宮舘涼太が語る新橋演舞場「初春歌舞伎公演」

海老蔵、宮舘涼太が語る新橋演舞場「初春歌舞伎公演」

左より、宮舘涼太、市川海老蔵

 

 2023年1月6日(金)から新橋演舞場で上演される「初春歌舞伎公演 市川團十郎襲名記念プログラム『SANEMORI』」に出演する市川海老蔵、宮舘涼太(Snow Man)が公演について語りました。

 例年、新橋演舞場の初春を飾る公演に出演してきた海老蔵。来たる11月・12月に歌舞伎座で十三代目市川團十郎白猿の襲名披露公演を行い、この初春歌舞伎公演で、令和5(2023)年の幕開けとともに、團十郎の名前で新しい門出を迎えます。古典の『源平布引滝』「実盛物語」をベースにした『SANEMORI』は令和元(2019)年に、“伝統の継承”と“新時代の歌舞伎の創造”の融合を目指して行われた自主公演「ABKAI」で上演された作品です。

 

海老蔵、宮舘涼太が語る新橋演舞場「初春歌舞伎公演」

 

攻めの姿勢を忘れない

 今回の演目を選ぶにあたり、海老蔵は、「古典を上演することも十分考えられた」と明かします。「團十郎という名跡を継いで、古典を継承していく、ということも大事です。ですが團十郎には、初代から、新しいことをつくり上げていく、という信念があったところもございます。團十郎になるからといって、守りに徹するわけではなく、きちんと攻め続けられる姿勢を」見せていきたいという思いで選定したと、力強く述べました。

 

 「新しいことに偏るわけではなく、もちろんこの後に続く公演や、全国を回る團十郎襲名披露興行では古典を中心にさせていただく予定です。(一方で、)海老蔵のときのように、團十郎としても新しいことへの挑戦を忘れていないという、所信表明と捉えていただきたい」と、バランスを考えながら、團十郎として見せていきたい姿を信念をもって描き、進んでいこうという気概が伝わります。

 

 3年前の「ABKAI」に出演し、令和2(2020)年にはSnow Manとしてデビューを迎えた宮舘は、このたび海老蔵と2度目の共演を果たします。襲名記念プログラムに出演する心境について、「頑張ります」と真剣な面持ちでひと言。また、「とても貴重な経験をさせていただきます。僕自身も歌舞伎が好きで、歌舞伎や時代劇に出演することをずっと夢としていました。3年前に、いろいろな経験をさせてくださった海老蔵さんに、成長を見ていただきたいです」と、素直な思いを口にしました。

 

海老蔵、宮舘涼太が語る新橋演舞場「初春歌舞伎公演」

 

古典に向き合う姿

 今回、海老蔵が勤める実盛は、これまでに何度も演じてきた役。團十郎として初めて勤める実盛に注目が集まります。一方、会見のなかで、宮舘の役について、前回勤めた義仲に加え、その父にあたる義賢の役も検討中、と海老蔵から構想を伝えられ、目を丸くした宮舘。「早急にお稽古を始めたいと思います」と、気合を入れます。海老蔵が、「源氏の大切な白旗を命懸けで次の世代に渡そうとする者、その思いを受け継ぎ守る者がいて…」と、物語や役の背景を改めて伝えると、宮舘も聞き入る様子を見せました。

 

 前回の共演時の印象について、「(宮舘さんは)伝統、古典に向き合おうとするまっすぐな姿勢が素晴らしいと感じました。今回のお役をどう理解し向き合うのか、拝見して、僕も勉強したいです」と、期待とともに語った海老蔵。宮舘は、「(海老蔵さんが)複数の役を演じながら物語を進めていく姿に衝撃を受け、舞台に立つ一人の表現者としての姿勢を学ばせていただきました」と振り返りながら、「自分も表現者として伝えられるものを探して活動してきたので、それを見せられたら」と、言葉に力を込めました。

 

 「歌舞伎への挑戦は、自分の夢に向かっていく修行の場」という宮舘の言葉を聞いて、「古典に魅力を感じていらっしゃる、その精神やご自身の意思がずっと継続されていることが大事」であり、うれしいことだと海老蔵は言います。会見中、宮舘の言葉に海老蔵が何度も笑顔を見せ、「舘様」と愛称で呼ぶ一コマもあり、息はぴったりの様子。そんな二人が見せる『SANEMORI』に、ますます期待が高まります。

 新橋演舞場「初春歌舞伎公演」は2023年1月6日(金)から27日(金)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で11月25日(金)から発売予定です。

2022/10/20