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松緑主演の新作歌舞伎、歌舞伎座で2カ月連続上演決定

松緑主演の新作歌舞伎、歌舞伎座で2カ月連続上演決定

 『荒川十太夫』尾上松緑

 2023年12月・2024年1月、歌舞伎座で、尾上松緑主演による新作歌舞伎の2カ月連続上演が発表されました。

 江戸時代に実際に起きた、誰もが知る「赤穂事件」。この史実をもとに、歌舞伎や講談でも多くの作品が生み出され、現在まで上演が繰り返されてきました。令和4(2022)年10月歌舞伎座「芸術祭十月大歌舞伎」で、赤穂義士討入りの後日譚を描いた、人間国宝の講談師・神田松鯉の口演による「赤穂義士外伝」を、松緑が新作歌舞伎として初めて上演したのが『荒川十太夫』です。赤穂義士の一人、堀部安兵衛の切腹の際に介錯をつとめた、下級武士の荒川十太夫の苦悩や武士としての覚悟を情感豊かに描いた本作は、「大谷竹次郎賞」や「文化庁芸術祭賞・芸術祭優秀賞」を受賞するなど、大きな評判を呼びました。

 

松緑主演の新作歌舞伎、歌舞伎座で2カ月連続上演決定

 昨年、好評を博した『荒川十太夫』の1シーン

 このたび、歌舞伎座で、赤穂義士による討入り前夜と当日の物語である『俵星玄蕃』を12月に、そして討入りの後日譚である『荒川十太夫』を年明け1月に上演することが決定。講談をもとにした『俵星玄蕃』は、赤穂義士たちが素性を隠し、虎視眈々と吉良邸討入りの準備をしているなかで出会う槍の使い手・俵星玄蕃を主人公にした作品で、赤穂義士の杉野十平次との心の交流が描かれます。今回は神田松鯉に脚本協力を仰ぎ、昨年の『荒川十太夫』で好評を博した、主演の松緑、演出の西森英行、脚本の竹柴潤一による、新たな舞台が誕生します。

 

 松緑は、「再演がかない、友人であり尊敬している神田伯山先生との約束が一つ果たせたこと、うれしく思います。また、伯山先生からご縁を繋いでいただき、台本協力等、さまざまなお教え、お力添えを賜っている神田松鯉先生には言葉では言い尽くせない感謝の念で一杯です。『俵星』は原作をベースにしながら、より歌舞伎味を強く、『荒川』は前回の台本を手直ししながらも、講談ベースをより色濃く、2作品の毛色の違いを出していけたらと計画中です。話は続いておりますので2夜連続ドラマとして観ていただければ幸いと思っております」と、思いを伝えます。神田松鯉は、「真っ直ぐでいて懐が深く、豪放と細心を併せもつ松緑丈の舞台に今から胸を躍らせている」と、言葉を寄せています。

2023/09/19