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新之助が語る、大阪松竹座「十月大歌舞伎」
2024年10月10日(木)から始まる大阪松竹座「十月大歌舞伎」に出演の市川新之助が、公演への思いを語りました。
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令和4(2022)年11月・12月の歌舞伎座を皮切りに始まった「市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台」の公演も、いよいよこのたびの「十月大歌舞伎」が結びの公演となります。新之助は夜の部の『口上』、そして『連獅子』に出演。父の團十郎と、初めて親子で『連獅子』を勤めます。
初めての挑戦、初めての劇場
演目決定の背景には、新之助の強い思いがありました。「新たなものに挑戦したいと思いました。『連獅子』が好きで、父の『連獅子』を見ていて楽しかったですし、ほかの方の『連獅子』も拝見して、僕も演じたいと思いました」。実際に稽古が始まった今、「もともと、難しいお役だとイメージはしていましたが、いざ実践してみると思っていたより難しくて。毛振りは体力が必要です。父と振りを合わせるところは、息がぴったり合わないといけないので、そこが大変だと感じています」と、大役に真摯に取り組んでいる様子です。
「お稽古では、父に音のとり方や型を教わっています。僕が今、お稽古で教わったなかでみどころだと思うのは、やはり仔獅子が崖から落とされるところでしょうか。『連獅子』は難しい、でも楽しいです。全部を精一杯勤めさせていただきますので、全部を見ていただけたらうれしいです」と、目を輝かせながら話します。
これまで、南座や博多座、御園座、巡業と各地を巡ってきましたが、大阪松竹座への出演は今回が初めてです。「新しい場所でいろいろな舞台をやらせていただきました。初めての劇場に行くと、場内をいろいろと回ります。緊張感もありますが、ワクワクして楽しいです」と、初めて立つ劇場への期待も抱きます。
大変より、楽しい
この2年、数多くの舞台を勤め上げてきました。特に初舞台狂言として4劇場で勤めた『外郎売』には、「とてもご縁を感じています」と話し、「『毛抜』も勤めさせていただき、歌舞伎十八番をたくさん演じることができて、貴重な経験でした」と、これまでの道のりを振り返ります。「2年がとても短く感じました。僕はもうすぐ中学生なのですが、『毛抜』を勤めた頃はまだ小学4年生だったのかと思うと…。本当に時間が経つのが早く感じます」と、言葉に実感がこもります。
これまでの父との稽古では、「僕が苦手だなと感じている動きや踊りの部分、せりふの細かいところ」を教わったことが印象に残っているとのこと。芝居については、「せりふや立廻りが好きです。(これまでの役についても)全部好きですが、やはり『外郎売』の早口弁舌や、『平家女護嶋』(令和6年1月、新橋演舞場)の立廻りが、特に楽しかったです。立廻りはたくさん動くので、気分が上がって楽しくなります」と明かしました。
「巡業などで学校に行けなくて大変なこともありましたが、でも僕は、大変というよりも楽しかったです」と、幾度も「楽しい」という言葉を口にした新之助。この2年間が前向きな、大きな糧となったことがうかがえます。改めて、今回の大阪松竹座の公演を前に、「初舞台公演としてはこの公演で最後ですが、新之助としてはこれからも頑張っていくので、たくさん努力したいです」と、真っ直ぐな眼差しで未来を見据えました。
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大阪松竹座「十月大歌舞伎」は10月10日(木)から26日(土)までの公演。チケットは9月20日(金)から、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で発売予定です。