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歌舞伎座「三月大歌舞伎」仁左衛門、松緑、愛之助が泉岳寺参拝

2025年3月4日(火)から始まる歌舞伎座「三月大歌舞伎」で、通し狂言『仮名手本忠臣蔵』に出演する片岡仁左衛門、尾上松緑、片岡愛之助が、作品ゆかりの地、泉岳寺で墓参・法要を行いました。
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歌舞伎座の「三月大歌舞伎」では、松竹創業130周年を記念し、『仮名手本忠臣蔵』の通し上演を行います。通し狂言として本作を歌舞伎座で上演するのは平成25(2013)年以来のこと。今回はAプロ、Bプロという2通りの豪華な配役でお届けします。このたび、大星由良之助役を勤める仁左衛門、松緑、愛之助の三人が泉岳寺で墓参・法要に参加しました。泉岳寺山門から境内の奥に進み、浅野内匠頭の墓前での法要を行った三人。続いて大星由良之助のモデルである大石内蔵助の墓前、四十七士それぞれの墓前へとお参りし、手を合わせました。
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▲ 大石内蔵助の墓の前で
参拝を終え、仁左衛門は「その忠義心を感じ、ご冥福をお祈りしました。やはり参拝させていただくと特別なものを感じます」と、感慨深げに述べました。大星由良之助という役について、「“忠臣蔵”において頂点のお役。仇討ちでもさまざまな話がありますが、やはり赤穂浪士が一番注目される背景には、この『仮名手本忠臣蔵』という芝居の素晴らしさがある。その話の要の役という重さを感じます。勤められて幸運、ありがたいことです」と、胸中を伝えます。
これまでもたびたび泉岳寺を参拝してきたと話す松緑は、「こうしてご挨拶をさせていただくと気持ちが改まりますし、“忠臣蔵”という物語に泥を塗らないよう勤めたいという決意が新たに固まりました」と神妙な面持ちで語ります。初役となる由良之助について、「技術以上に、存在感や説得力がなければ勤まらない役で、まだまだ自分には手が届かない役だと思っていました。仁左衛門のお兄さんにお稽古していただき、自分ができる精一杯のことを勤めたいと思っています」と、思いを明かしました。
昨年12月以来、休養期間を経ての舞台出演復帰となる愛之助。「この大きな舞台で復帰させていただく、このようにありがたいことはございません。しっかり千穐楽まで勤めます」と、気合を入れます。歌舞伎の興行では初めての由良之助役を勤めるにあたり、「お墓参りさせていただき、身の引き締まる思いです。私にとって大星由良之助は雲の上のお役。叔父(仁左衛門)も申しておりましたように、由良之助の心を大切にしながら勤めていきたいと思います」。

▲ 墓参・法要後に囲み取材を行いました
今回の公演では、Aプロ、Bプロで異なる場面ごとに三人が由良之助を勤めます。「若いお二人とトリプルキャストなので、負けないように勤めたいです。お二人には、由良之助の心をしっかりと捕まえて、形でなく心を伝えてほしい。二人なら大丈夫です」と仁左衛門。その言葉に松緑は、「本当にありがたいことで、頼もしいことです。教われることをすべて教わって吸収したいと思います」、愛之助は「叔父にいろいろなこと教えていただき、しっかりひと月勤めたいと思います」と、真剣な表情で決意を表しました。
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歌舞伎座「三月大歌舞伎」は3月4日(火)~27日(木)までの公演。までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。