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「松竹大歌舞伎」 出演者が語る意気込み

2025年10月31日(金)から全国18会場で行われる、「松竹大歌舞伎」に出演する中村又五郎、中村歌昇、中村種之助、中村種太郎、中村秀乃介が、公演について語りました。
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江戸の風情が伝わる舞台
今年の(公社)全国公立文化施設協会主催「松竹大歌舞伎」には、又五郎、歌昇、種之助が出演し、種太郎と秀乃介も、初の巡業公演への参加となります。
又五郎は「8年ぶりの巡業への参加で、大変うれしいです。今回上演する『泥棒と若殿』は、(十世坂東)三津五郎くんとこの作品の話をたびたびしており、原作を読んで、とても素敵な作品だと感じていました。このたび歌昇と種之助が演じる機会をいただき、ありがたく思っております。歌舞伎の舞台を初めてご覧になる方にもわかりやすい作品ではないでしょうか。舞踊の『お祭り』では、歌舞伎の派手やかさ、そして賑やかさといった、江戸の風情が伝われば」と、心意気を口にします。

続く歌昇が「自分は巡業公演の経験に育てていただいたと思っています。今回、その巡業に長男(種太郎)と次男(秀乃介)が一緒に出演させていただけること、本当にありがたいです。しっかり気を引き締め、純粋にお芝居として楽しんでいただけるよう精進してまいります」と、決意を述べると、種之助も「兄弟で出演する『泥棒と若殿』では、古典歌舞伎とは違った素直な感情表現をお楽しみいただきたいです。『お祭り』は、女方で出演しますので華やかに、今回初参加の子どもたちのサポートもしながら勤めたいです」と、抱負を語ります。
役と役のキャッチボールを
『泥棒と若殿』について、歌昇は「三津五郎のおじさん、(尾上)松緑のお兄さんが演じられる映像を初めて拝見したときに、生の舞台ではないのに、とても感動し涙が出てきました。身分の違う二人が心を通わせ合いながら絆が生まれる様子、その後に起こるドラマをぜひ観に来ていただきたい」と、呼びかけます。「役と役のキャッチボールのような、細やかなせりふの応酬を、兄と演出の大場(正昭)さんと三人でつくり上げたいです。孤独な生活を送る若殿の前に現れる泥棒の明るさ、異なる人間性に触れることで互いにおこる感情の変化を丁寧に表現して、お客様に感じ取っていただけたら」と、種之助も続けます

初めての巡業公演となる種太郎と秀乃介へ、又五郎は「子どもたちなりに精一杯の舞台を勤めてほしい。普段やっているひとつ上の稽古をしないといけないと思います。舞台へ出る感覚を体で感じ取り、この雰囲気を身に染み込ませてもらえたら」と、厳しくも温かい視線を向けます。種太郎は「家族で舞台に出られること、お稽古では新しいことができるようになると、一緒によろこんでもらえるのがうれしいです」、秀乃介は「じいじ(又五郎)と一緒に舞台に立てると安心します」と、それぞれが答えます。
巡業公演の楽しみを尋ねられ「各会館によって、お客様の反応が違うこと。また公演先に滞在する場合、その土地の方においしいものをうかがったり、食の楽しみもありますね」と、明かす又五郎。歌昇は「歌舞伎『刀剣乱舞』に出演以来、それぞれの刀のルーツが気になっており、滞在先でそのような機会があれば巡ってみたいと思っています」と、新たな楽しみも口にしました。
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「松竹大歌舞伎」は10月31日(金)から11月25日(火)まで、全国18会場で開催。チケットの詳細は公演情報のお問い合わせ先でご確認ください。