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團十郎、ぼたん、新之助が語る、新橋演舞場「初春大歌舞伎」
2026年1月3日(土)から始まる新橋演舞場「初春大歌舞伎」に出演の市川團十郎、市川ぼたん、市川新之助が公演に向けての思いを語りました。
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古典をお客様に
今回の演目選定について、團十郎は、「これまでさまざまな挑戦を続け、古典についても咀嚼して分かりやすくお伝えすることを意識してきました。昨今特に歌舞伎をご覧になる方が増えていることを実感するなかで、10月の南座・博多座の公演では歌舞伎の裏側をお見せするようなことにも挑戦しました。今なら歌舞伎が好きな方も、ご覧になったことがない方も、改めて歌舞伎を学んで楽しんでみようと思ってくださるのではと感じています。今回の演目は学びを重ねることで深みが増す作品ばかりです」と、お客様への思いも踏まえながら語ります。
10年ぶりに勤める昼の部『熊谷陣屋』については、「『熊谷陣屋』は九世(市川)團十郎が型をつくった演目で、初めて勤めさせていただく折には二世中村吉右衛門のおじ様のところへ教わりに行きました。おじ様に教わったことを思い出しながら、九世團十郎や父(十二世市川團十郎)がやっていたことを踏まえて、今の等身大の私として熊谷直実という人物を演じられたら。やはり源平の物語のなかでも、この直実と敦盛のお話は美しい場面の一つだと思います。その美しさを“物語”として表現していく難しさや楽しさを、古典のなかに散りばめたいと思います」と、演目の魅力とともに意気込みを述べます。
継承への思い
昼の部の『仕初口上』について問われると、團十郎は、「昔より正月の興行に必ず“仕初式”というものがありました。正月の演目を読み上げたうえで、1年間の無病息災を願いながら、市川家に伝わる“にらむ”という所作事をしていくものです。今回はお正月らしい舞踊を一つつけたうえで、口上に入りたいと思います」と、構想を明かします。
「夜の部の『児雷也豪傑譚話』は、歴代の團十郎の家の芸といっても過言ではなく、上演も重ねられていましたが、私は今回初めて勤めます。新之助時代、海老蔵時代にさまざまな演目に挑戦させていただくなかでも、実は演じていなかった珍しい演目です。今回は少しアレンジを加えながら、古典の部分や決まり事もしっかりと勤めていきたいと思います」と、本作を勤めるうえでの思いを伝えました。
若者に紡ぐ
ぼたんは「『鏡獅子』の胡蝶を勤めるにあたり、今まで以上に弟ともたくさん稽古を合わせ、素晴らしいものをつくり上げられるように頑張りたいと思います。『児雷也豪傑譚話』は、どのような作品なのか分かっていないところもありましたが、出演が決まってからビデオも見て、今回大事なお役を勤めさせていただけるので、気を引き締めていきたいと思います。どちらも初めての演目で不安もありますが、一所懸命お稽古をして頑張ります」と、はきはきと作品への意気込みを表しました。
新之助は「『鏡獅子』は家族全員で勤められるということがとても幸せだと感じていて、一所懸命頑張りたいと思います。『矢の根』は、歌舞伎十八番の演目のうちの一つで、今からたくさん稽古をし、頑張って取り組んでいきます。どちらも初めての演目ですが、気合いを入れて稽古をしていくので、ぜひ1月の公演を観に来てください」と、笑顔でアピールします。
続けて團十郎は、「『鏡獅子』は新歌舞伎十八番の演目で、
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新橋演舞場「初春大歌舞伎」は1月3日(土)から27日(火)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。
