【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。
小道具奇譚:煙管(きせる)の火種、いまむかし |
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「歌舞伎舞踊『色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)』(かさね)で用いられる二つ折りの鏡(懐中鏡)で、胸元に差し込んでおきます。同じ演目でも、俳優さんによって道具が変わることもあり、鏡も竹の模様は成駒屋系、蝶は梅幸さんがそれぞれ使われていました」 刀の鞘(さや)には、下げ緒(さげお)と呼ばれる紐が結んである。難しそうな結び方に見えるが、田中さんによるとこれは簡単なほうだとか。ちなみに手で握る柄(つか)の部分がこのように白いものはお殿様の刀として使うことが多い。 おそらく昭和30年代ころからでしょうかね、莨盆(たばこぼん)の炭が桜炭(さくらずみ)から香道用の香たどん(※1)に代わったのは。歌舞伎には煙管(きせる)がよく出てきますよね。煙管は刻みたばこをつめて喫煙しますが、莨盆の炭火に当てて火をつけます。そして、吸い終わると灰吹き(はいふき)のふちにポンとあてて、煙管の先の吸い殻を落とします。このポンという音が次のセリフへのきっかけになることも多々あります。
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