歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



広々とした西の丸庭園から見た、緑の上に聳える大阪城。

豊かな水をたたえた大阪城のお堀。水面を渡る秋風がここちよい。

美しい観光名所の真ん中に出現

大阪城公園内のりっぱな大手門。この門をくぐると、観劇気分を盛り上げる出演俳優たちの幟旗が見えてくる。

平成中村座と文字が入った積樽。色とりどりの幟旗とともに、芝居小屋らしい風情を醸し出している。

芝の上に建つ今公演の大阪平成中村座は、まさに「芝居」の小屋だ。

 

写真中央、西の丸庭園入口へは、大阪城公園内に入ってから歩いて5分くらいかかる。平成中村座はこの庭園入口からさらに5分くらい歩いたところに建っている。
晴天の日は爽快な大阪城公園の景色をゆっくり眺めながら劇場へ向かいたいし、雨天の日は足元が悪くなるので、時間に余裕がほしい。つまり天気に関係なく、早めに到着するように家を出るのが得策。平成中村座ならではのお土産を物色する時間もぜひとっておきたい。

 「江戸時代の芝居小屋を現代に復活させ、多くの方々に歌舞伎を楽しんでいただきたい」そんな当代中村勘三郎さんの熱い思いから生まれた平成中村座。産声を上げたのは2000年11月、ところはかつて江戸三座があった浅草猿若町に程近い隅田公園でした。その後10年間に大阪や名古屋、松本、ついには海の向こうのニューヨーク、ベルリン、シビウ(ルーマニア)にまで“遠征”し、公演を重ねてきました。

 そして、2010年10月3日、平成中村座は8年ぶりに再び大阪の地で旗揚げされました。前回の大阪市北区の扇町公園から大阪城公園内西の丸庭園に場所を移し、今回は10月、11月の2ヶ月にわたる興行です。10月は、大阪に縁ある古典の『封印切(ふういんきり)』など人気演目が揃った見取り狂言※のスタイル。11月は8年前扇町公園でも上演された串田和美さん演出による『法界坊』(昼の部)と『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』(夜の部)の通し狂言となっています。熱いエネルギーが集結した8年前の舞台をさらに進化させるという、待ちに待った期待の公演です。

 今回の会場である大阪城公園は風光明媚な大阪の観光名所。お堀の水と豊かな緑に囲まれた美しい大阪城を眺めながら、広大な公園内を散策するもよし、園内の史跡や天守閣の展示をゆっくり鑑賞し、大阪城の歴史ロマンに浸るもよし。観劇プラスアルファの楽しみが盛りだくさんの会場です。

※見せ場の一幕二幕を上演する演目を、複数並べる公演形態

平成 劇場獨案内

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