歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



勘亭流で書かれた外題の大きな看板、風にはためく色とりどりの幟。「新春浅草歌舞伎」が上演されるお正月ならではの浅草公会堂の景観。

チケットがすぐ売り切れる「着物で歌舞伎の日」の場内。俳優さんもこの日を楽しみにしているそうだ。 ※このページの写真はすべて平成22年1月に撮影したものです。

鏡開きに“着物の日”。特別な初春の浅草公会堂

浅草歌舞伎の初日「鏡開き」を見るために、そしておめでたい鏡開きのお酒をいただくために、浅草公会堂の前には朝早くから歌舞伎ファンが集まる。

切符をもぎるスタッフまでもが全員着物姿となる「着物で歌舞伎」の日には、観客に記念品が配られる。洋装の方には半纏(はんてん)の貸出サービスもある。

平成22年正月は浅草の羽子板職人さんが出演俳優6人の「役者羽子板」を製作展示。場内はお正月らしい装飾が施され、“初春”気分が盛り上がる。

浅草名物となった感のある人力車だが、新春浅草歌舞伎のポスターを後ろに張って、宣伝に一役。

 浅草公会堂のお正月は、「新春浅草歌舞伎」出演俳優たちによる華やかな鏡開きで始まります。そして「これを見なくちゃ一年が始まらない」とばかりに鏡開きを見届けてから初日を観劇する、というのが熱心なファンのお約束。当日は場所取りのために朝早くから浅草公会堂の前にやってくる方々も見受けられます。賑々しくセレモニーが終了した後は、出演俳優の手から(※)おめでたいお酒がふるまわれるので、それも大きな楽しみです。

 さらに「新春浅草歌舞伎」で恒例となっているのが、出演者が公演ごとに交替で行う「お年玉〈年始ご挨拶」。芝居の拵えではなく、素顔でアドリブ満載の楽しいトークが繰り広げられるのは「新春浅草歌舞伎」ならではです。

 “素顔”といえば、新春浅草歌舞伎はポスター、チラシの写真も芝居の拵えではなく素顔写真を使用。今回は市川亀治郎さん、片岡愛之助さん、中村七之助さん、中村亀鶴さんがフォーマルスーツでカッコ良く決めています。公演プログラムには、このポスタービジュアルの写真が盛りだくさん。さらに企画ページも充実しているので、観劇後にも楽しめます。

 また、イヤホンガイドでもお楽しみ企画が実施されます。それはお客様から事前に寄せられた質問に、新春浅草歌舞伎の出演者が回答するというもの。今年は事前にファンから募った質問に答えている放送が、幕間に流されます。

 そして、もうひとつ、浅草公会堂の風景が一変するのが「着物で歌舞伎」の日です。この日はどこを見ても誰を見ても着物を着ています。お客様だけでなく、劇場スタッフまでも着物を着用。俳優さんも客席を見渡して、雰囲気が華やかになるこの日を楽しみにしているそうです。

※俳優が初日公演の準備で楽屋入りした後は、写真のように劇場スタッフがお酒をお配りいたします。

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