
【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。
こころを映す 歌舞伎の舞台
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格調高い意匠が施された客席場内。舞台前からの眺めも圧巻。 |
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定式幕がよく似合う唐破風のついた舞台。 |
クラシカルな美しい劇場空間が観客を魅了
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左:1階正面玄関を入ってすぐの廊下。 |
花道の先、鳥屋には松竹の紋が染め抜かれた揚幕が掛かっている。 |
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大塔宮護良親王(おおとうのみやもりよししんのう)所用と伝えられる「牡丹唐草段模様」が緞帳の意匠としてデザインされ、客席場内への扉にも使われている。 |
屋上にある、鳥居も灯篭も備えたりっぱなお社。 |
屋根瓦にも、緞帳や客席場内への扉にデザインされた牡丹が。 |
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まず、劇場を訪れた人の目を引くのが金色金具の装飾が施された、正面玄関の照明と扉。中に足を進めて大理石造りの階段を上がっていくとロビーはなく、クラシカルな照明の柔らかな光に照らされた廊下が迎えてくれます。廊下に並ぶ客席場内への扉には、注意して見ないとわからないくらい控えめな模様ですが、小さな牡丹の意匠が使われています。これは緞帳の「牡丹唐草段模様」と同じデザインです。
そして扉を開けて客席場内へ。豪華な黄金色が配された格子天井には、装飾照明が設置され、舞台の上には古風な破風もあって、壮麗な劇場空間を創出しています。
客席椅子は少し渋みのある真紅のビロード張り。1階左右の桟敷席は机付の掘炬燵式となっており、2階正面の特別席は収納式の机付、背もたれが高く特別感がいっぱいの豪華さです。特別席は、2階正面最前の1列のみで、その後ろは通路になっているので、観劇中、ついつい前のめりになっても後方の観客の視界を遮らないつくりになっています。
今回は屋上を撮影することもできました。そこには灯篭と鳥居を備えたお社があって、出演俳優さんたちはお参りしてから舞台に向かうそう。取材したのは休館中だったので、献酒や榊などのお供えはありませんでした。ちなみに、お社の中に祀られているのは芸能の神様である弁財天だそうです。
屋上から建物最上の破風を撮影してわかったのですが、そこには南座と文字が入った瓦とともに、何と、緞帳、扉と同じ、牡丹をデザインした飾り瓦がありました。
平成 劇場獨案内
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