公演情報詳細
八月花形歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2020年8月1日(土)~26日(水)
劇場:歌舞伎座
演目と配役
第一部
河竹黙阿弥 作
連獅子(れんじし)
狂言師右近後に親獅子の精 狂言師左近後に仔獅子の精 浄土の僧遍念 法華の僧蓮念 | 愛之助 壱太郎 橋之助 歌之助 |
第二部
岡村柿紅 作
棒しばり(ぼうしばり)
次郎冠者 太郎冠者 曽根松兵衛 | 勘九郎 巳之助 扇雀 |
第三部
義経千本桜
吉野山(よしのやま)
佐藤忠信実は源九郎狐 逸見藤太 静御前 | 猿之助 猿弥 七之助 |
第四部
三世瀬川如皐 作
与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
源氏店
切られ与三郎 妾お富 番頭藤八 和泉屋多左衛門 蝙蝠の安五郎 | 幸四郎 児太郎 片岡亀蔵 中車 彌十郎 |
みどころ
第一部
連獅子(れんじし)
獅子の親子が魅せる情愛と豪快な毛振り
文殊菩薩が住むといわれる霊地清涼山。その麓の石橋に、狂言師の右近と左近が手獅子を携えて現れ、石橋の由来や、文殊菩薩の使いである霊獣の獅子が仔獅子を谷底へと蹴落とし、自力で這い上がってきた子だけを育てるという故事を踊って見せます。やがて、満開の牡丹の中に親獅子と仔獅子の精が現れると…。
前半は獅子の親子の厳しくも温かい情愛を描き、ユーモラスな間狂言「宗論」をはさんで、後半は獅子の精が豪快かつ華麗な毛振りを見せます。能の「石橋」をもとにした迫力ある舞踊をご覧いただきます。
第二部
棒しばり(ぼうしばり)
酒好きの二人が縛られてしまい…
次郎冠者と太郎冠者は無類の酒好き。ある日、主人の曽根松兵衛は外出中に酒を盗み飲まれないよう一計を案じ、次郎冠者の両手を棒に、太郎冠者を後ろ手に縛りつけて外出します。飲めぬとわかるとますます酒が飲みたい二人は、協力して酒を酌み交わし始めます。そうして二人がほろ酔い気分で踊り出したところへ、松兵衛が帰ってきて…。
狂言を題材とした、おかしみにあふれる松羽目物の舞踊。両手が使えず、自由が利かないなかでも存分に踊って見せるところがみどころです。明るい雰囲気のなか、巧みな技がふんだんに盛り込まれた舞台をお楽しみください。
第三部
吉野山(よしのやま)
吉野山を舞台に描く華やかな舞踊
桜が満開の吉野山。源義経の愛妾静御前は、都を落ち延びた恋しい義経を追って旅を続けています。その供をするのは、義経の忠臣である佐藤忠信。静の旅の憂さを晴らすため、忠信は過ぎし日の屋島の合戦の様子を物語ります。実は忠信は、静が義経から預かった「初音の鼓」の皮に使われた狐の子で…。
忠信と静の連れ舞や源平の軍物語など、みどころの多い人気の舞踊です。狐忠信の通称の通り、随所で狐を暗示させる忠信の仕草もみどころ。春の盛りを背景に繰り広げられる、美しい道行をご堪能ください。
第四部
与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
粋な風情で描かれる男女の不思議なめぐり逢い
鎌倉雪の下の源氏店。和泉屋の大番頭、多左衛門の妾宅では、湯上がり姿のお富が化粧をしています。そのお富に番頭の藤八が付きまとうところへ、小遣いをたかりに来た蝙蝠の安五郎が相棒を連れて現れます。「切られ与三」と異名を取り、体中に傷跡のあるその連れの男はなんと、かつて愛した与三郎――3年前、伊豆屋の若旦那だった与三郎と元芸者のお富はひと目惚れし密会を重ねますが、当時お富を囲っていた旦那に知れると、与三郎は瀕死の重傷を負わされます。一方のお富は身投げしますが多左衛門に救われます。そんな事情を知らない与三郎は…。
互いに死んだと思っていた男女の不思議な巡り合いを描く傑作。お富と再会した与三郎の「しがねえ恋の情けが仇」という名せりふは聞きどころです。
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